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Beethoven Piano Sonatas Nos. 30-32 グレン・グールド ~ベートーベンを全身全霊をかけて弾くグールド

Beethoven Piano Sonatas Nos. 30-32
グレン・グールド

わんわんわんにとってベートーベンは落書きの対象でしかなかった。不本意なヒゲを書き込んだり上半身の肖像画の下半身を富永一郎タッチのスッポンポンにしたりと、それこそ本人が見たら激怒では収まらないレベルの「悪行」は両手両足を駆使してもあまるほどである。だが、本作のグールドが演奏するベートーベンを聴くと、ベートーベンの音楽に対する執念というものをリスペクトせざるを得ないと思うのである。

本作を聴くとグールドはどちらかというとクラシックミュージシャンというよりジャズミュージシャンではないかと思ってしまう。ご存知クラシックで最重要視されるのは作曲者の意図である。テンポの設定や場面展開のストーリーなど全ての演奏設計を、音として自分の作品を残すことができなかった時代に自分の作品を世間に広めようとするには譜面に書くしかなかったのである。電気のなかった時代の音楽はなおさらそうである。

だからクラシックのミュージシャンは個性と同様に譜面に忠実であるかどうかというのも重要視され要求されるのである。しかし本作は「譜面を演奏して一丁あがり」というレベルでは全くない。むしろグールドは楽譜を無視するのである。さすがに音符を勝手に創作することはしないのだが彼はテンポや楽曲の表情、音色の強弱はグールドの信じるがままに全身全霊をかけてベートーベンを弾く。

その姿はジャケット写真にあるように非常に神懸かっている。ベートーベンの残した作品に対して自分の持つテクニックや意識の全てを捧げ、本気で音楽にぶつかってゆく姿勢が本当に美しい。良ジャケに駄盤なしの手本のような作品である。聴いてるこちらもつられて全身全霊で耳を傾け、グールドの音楽に対する真摯な姿勢に思わず涙がでる。不思議と気持ちが高まるのだが呼吸が穏やかになるのだ。本作はおそらく一生聴き続ける1枚となるであろう。

Beethoven Piano Sonatas Nos. 30-32

■富永一朗(チンコロじいさん)の快老人生
ああ懐かしい「お笑いマンガ道場」にて鈴木先生と地味なバトルを繰り返していたあのころを思い出す。富永先生は三重県亀山市出身。東名阪亀山SAには先生の作品が飾られている。わんわんわんの世代を垣間見ることができる。

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テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

コメント

 グールドのベートーヴェンは面白いですよね。私もしばしばこのグールドの後期三大ソナタを聴いています。多くのピアニストがテンポを遅い方に揺らし重々しく叩く30番の第2楽章なども果敢に切り込んでいく印象の演奏で、聴くたびに口許がニヤついてしまいます(笑)
フーガなどは彼のお得意ですから聴いていてなかなか楽しいですし。
ベトの30-32番の多くのCDの中でも、間違いなく名盤と言える一枚でしょうね。

rocky dvorakさんへ

コメントありがとうございます。
グルービーな音の切り方とドラマティックなダイナミクス。どんな作品も彼独特の美学のフィルターを通すとグールドミュージックになるのが面白いですね。

この人が現在に生まれていたら今頃どんな音楽を演っているのか非常に興味深いですね。
>  グールドのベートーヴェンは面白いですよね。私もしばしばこのグールドの後期三大ソナタを聴いています。多くのピアニストがテンポを遅い方に揺らし重々しく叩く30番の第2楽章なども果敢に切り込んでいく印象の演奏で、聴くたびに口許がニヤついてしまいます(笑)
> フーガなどは彼のお得意ですから聴いていてなかなか楽しいですし。
> ベトの30-32番の多くのCDの中でも、間違いなく名盤と言える一枚でしょうね。

確かに、教科書に登場するような立派な人物は
学生にとって格好の落書きの的ですね。
でも、偉大な音楽を授業で聴かせてもらった覚えなど
ほとんどありませんでした…涙。

Beat Wolf さんへ

コメントありがとうございます。
そうですね、それこそ教育の矛盾の一面でしょう。しかし「持っている人」の曲を「持っている人」が弾くとこのようになるということは、教えられるよりも自分で探し当てたほうが衝撃が大きいというのもある種の矛盾です。矛盾だらけこそ人生でしょうか。深い謎であります。

> 確かに、教科書に登場するような立派な人物は
> 学生にとって格好の落書きの的ですね。
> でも、偉大な音楽を授業で聴かせてもらった覚えなど
> ほとんどありませんでした…涙。

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