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月の光 冨田勲 ~世界のTOMITAの始まりである歴史的大名盤

月の光
冨田勲


本作はちょっとコアな音楽ファンなら誰でもご存知のシンセサイザー奏者冨田勲氏のデビューアルバムにて歴史的名盤である。シンセサイザーにてドビュッシーの諸作を演奏するのであるが、冨田がここで目指したのはドビュッシーのピアノ曲を電子音で模倣しシミュレートしただけの「既存のフォーマットの模倣」ではない。

ブックレットにて冨田氏はこのようにシンセサイザーの本質を語る。
~シンセサイザーをさして「いったいこれはどんな音がするのか」という質問に対しては答えようがないが、「このバーベキュウセットはどんな味がするのか」ということと同じである。~

ご存知の通りシンセサイザーはありとあらゆる音色を合成することが出来る。このころの黎明期シンセサイザーは現在のサンプリング音源のように何かの音を模倣するため(スタジオミュージシャンの人件費削減のため)のものでなはく、まさしくゼロからの音色をマニピュレートしなければならなかった。

シンセサイザーを使うとうこと、それはつまりピアノ、バイオリン、などなどの名前を聞けばどんな音がするのかが容易に想像がつく楽器を組み合わせてオーケストレーションするのではない。シンセサイザーにはそういった音色の大前提というのは存在しないのである。絵画にたとえるならば赤だとか青だとか黄色などの既存の色をつかって絵を描くのではなく、色を調合するところから創作活動は始まるのである。

その作業はとても地道で根気を要する。配線をつなぎ合わせ音色のもととなる音を合成する。それができたら音の立ち上がりのスピードをつまみを回しながら調節し…楽曲にあうような音色の調合だけでも大変なのだが一つの音色が出来上がれば多重録音が可能なマルチトラックレコーダーにてテイクを重ねる。冨田はこの気の遠くなるような作業を繰り返す。もちろんどのように演奏したらよいかという演奏設計も「未知の音色」をつかって手探りにて組み立てる。

シンセサイザーという道具から生まれるサウンドは「聴いたことがあるけれど聴いたことがない」、しかも演奏しているのが冨田氏なので「人間らしくないのだが妙に人間くさい」という不思議な矛盾につつまれている。そして出来上がったものが本作ドビュッシーを題材とした素敵な音のコラージュである。

これまでの音楽は演奏活動によって再現できることを前提につくられたものなのだが、本作をリアルタイムで演奏を再現しようというのはほぼ不可能である。冨田氏はヒョイッと出てきたシンセサイザーによって音楽そのものを再定義しようとしていたのではないのだろうか。

月の光
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テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

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