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NOW'S THE TIME 松岡直也 ~さようなら松岡直也ありがとう松岡直也

NOW'S THE TIME
松岡直也


ニュースでご存知の方も多いだろう。2014年4月29日に松岡直也氏が永眠したとのことである。日本を代表するラテンピアニストの第一人者で中森明菜の「ミ・アモーレ」の作曲者である。ジャズピアニストやクラシックピアニストは数多くいれど、ラテンピアニストというニッチなジャンルを看板に掲げて活動している人はそうそういない。聞くところによると2001年に病気が見つかり闘病生活とのことであったそうだ。突然とびこんできたなんとも惜しい別れである。

松岡直也の作品というとどうしてもフュージョンの作品が目につくのだが本作は「アコースティク松岡」である。ラテン風の自作曲をピアノソロで弾いたり、バンド全体でモントゥーヌ合戦をしたりと、原点に返ってアコースティックピアノをただただひたすらに綺麗に響かせるサウンドはとても楽しそうである。

相変わらずウッドベースとエレキベースを弾く高橋ゲタ夫(それにしてもなんという変な芸名なのだろう)と村上ポンタ秀一が超絶に良い仕事をしている。

本作はこのような名盤であっても悲しいことに非常に入手の難しい1枚である。

NOW’S THE TIME

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■PLAY 4 YOU 松岡直也 ~松岡直也の小編成ピアノもの
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ジャイアント・ステップス トミー・フラナガン ~凡盤のようであるが実は名盤

ジャイアント・ステップス
トミー・フラナガン


「名盤」とは人類の財産といっても言い過ぎではなく、「大名盤」ともなればそのジャンルを代表するような作品でさまざまなディスクガイドに取り上げられている。その対極として「駄盤」という言葉がある。毒にも薬にもならない作品のことである。「名盤」と「駄盤」の間には「凡盤」というものがある。

「凡盤」とはレコード会社が下手を打たないようにとストライクゾーンにはまるようなフォーマット・選曲を、そしてあわよくば大名盤の名を借りて二匹目のドジョウを狙えないものかという意図が透けて見える。だから必然的に似たり寄ったりなところに落ち着くため、商売のニオイがぷんぷんするようなありふれた内容になってしまうのである。この「凡盤」はジャズピアノトリオものに非常に多くみられる。

ピアノトリオはジャズの最も小さい楽器編成の一つで、おおかたピアノ・ベース・ドラムの3つの楽器からなっている。楽器編成がシンプルだからこそプレイヤーの個性が出やすくてバッド・プラスのように前衛的なものから至極オーソドックスなハードバップジャズのものまで音楽性が幅広いため一括りにピアノトリオという言葉では言い表せないほど音楽性は幅広い。だからこそピアノトリオは開拓し甲斐のあるジャンルなのである。

本作は名前からして当然コルトレーンの大名盤「Giant Steps」のトリビュート作である。その当時参加していたトミー・フラナガン(P)、ピアノトリオ好きにウケがよいジョージ・ムラツ(B)、ロックから正統なジャズまで何でも器用にこなすアル・フォースター(Dr)。有名なミュージシャンたちの参加、有名スタンダード曲、ピアノトリオというフォーマット。一見するとジャズの巨人コルトレーンにちなんだ「ありがちな企画もの」のような印象を受ける。まさに「凡盤」の代表格のような作品に見える。

だがしかし本作は「凡盤」という色眼鏡をかけて聴いても、いつの間にかそれがひっくり返されるのである。この収録メンツをみれば内容が悪いはずはないのである。レコード会社の凡盤戦略にはまってしまったのかもという心配は無用で本作に関しては安心して手に取っていただきたい。こうやって記事を書いている間に気が付けば3回目の1曲目である。

ジャイアント・ステップス

■Giant Steps Tommy Flanagan
ジャケット違いの輸入盤。こちらのほうが入手しやすい。

Giant Steps

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Cookin' マイルス・デイビス ~伝説のマラソンセッションINGシリーズ

Cookin'
マイルス・デイビス

おなじみのマラソンセッションINGシリーズ。マイルスはプレステッジレコードの契約条件が気に入らなかった。しかしほかのレーベルへ移るためにはあと4枚アルバムを作成しなければならなかったのだが、わずか2日間にてほぼワンテイクで4枚分を作り上げてしまったという伝説のセッションである。

このINGシリーズはいわば契約消化のやっつけ仕事であるにもかかわらず、ぶったまげるほどの高いクオリティーである。マイルス・デイビス(Tp) ジョン・コルトレーン(Ts) レッド・ガーランド(P) ポール・チェンバース(B) フィリー・ジョー・ジョーンズ(Dr)。劇場慣れというか本番慣れというか、人前で鍛えられた彼らのレベルの高さにはホントに脱帽である。

INGシリーズの一番最初に収録されたはじめの1枚。最初の曲「My Funny Valentine」で例の「イントロ名人」レッド・ガーランド節がコロンコロンと炸裂する。楽曲のチョイスも有名ジャズスタンダードからのものでわかりやすく、どの曲から聴き始めても構えることなく聴ける。マラソンセッションのとっかかりであるため各メンバーの集中力と気力が一番高いというのもあるのだろうか、本作をマラソンセッションINGシリーズのベストアルバムとする人も多い。


Cookin: Rudy Van Gelder Remasters Series

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ラウンド・ミッドナイト デクスター・ゴードン ~ただのサントラと思ったら大間違いの名盤

ラウンド・ミッドナイト
デクスター・ゴードン


本作はデクスター・ゴードンのアルバムではなく映画のサウンドトラックである。「ラウンド・ミッドナイト」という映画である。ジャズピアニストの鬼才バド・パウエルがパリで活動していたころの実話をもとに、デクスター・ゴードン主演のジャズマンとフランス人青年の友情を描いた作品だ。

かつてアメリカにて名声をほしいままにしていた老齢ジャズマンのデイル・ターナー(デクスター演)がアメリカでの活動を諦めてフランスへ渡ったのである。それは当時のアメリカはジャズ以外の音楽も台頭してきており、いわゆるジャズ不況という時代の流れであったからだ。

ちなみにフィル・ウッズ(As)も同様にヨーロッパへ実際渡っている。そしてウッズがヨーロッパにて発表したのが名作「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」なのである。

閑話休題パリへたどり着いたデイル・ターナーは酒におぼれ引退同様であったのだが、とあるジャズクラブで熱狂的なジャズファンの青年と出会う。半ば人生をあきらめかけていたデイル・ターナーはその青年に勇気づけられて再起をし再びアメリカへ戻ることを決心する…。

デクスターの役者ぶりは素晴らしく本物のジャズマンが演じるジャズマンはものすごく説得力がある。「ニューヨークの秋」のメロディーを吹くデイル・ターナーが突然「歌詞が思えだせない」と行き詰まり演奏をやめてしまう下りは、役者としての技量に本物のミュージシャンとしての技量がバイアスとなって凄みすら伝わってくる。デクスター・ゴードンは本作にてアカデミー主演男優賞にノミネートされたという。

映画の内容はここまでにして、本作は単なるサウンドトラックにしておくにはもったいないほどのクオリティーである。音楽監督はジャズピアニストのハービー・ハンコック。 ハンコックは本作でアカデミー作曲賞を受賞している。参加ミュージシャンも超豪華でハービー・ハンコックをはじめ、フレディ・ハバード、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウイリアムス(ジャズから少し距離を置いていたこのころの映像は貴重だ)、ボビー・ハッチャーソン(おとぼけ役で出演)、ビリー・ヒギンス、ジョン・マクラフリン(トラディッショナルなジャズギターが聴ける)…。このメンバーで内容が悪いわけはない。

特にぐっとくる曲は作品中デイル・ターナーの娘のチャンにささげられた「チャンズ・ソング」。ハービー・ハンコックとスティービー・ワンダー共作で数々のミュージシャンからカバーされ続けている美曲である。

ラウンド・ミッドナイト+1(オリジナル・サウンドトラック)

■ラウンド・ミッドナイト
こちらが作品のDVDとなる。本作をまだ見たことのないジャズを愛する人々にはぜひ見ていただきたい。

ラウンド・ミッドナイト [DVD]

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AFTER MIDNIGHT 上田正樹 ~切ない色の大阪の海

AFTER MIDNIGHT
上田正樹


いつもブームは突然訪れる。ドビュッシーブームが一息ついた現在のマイブームは現代クラシックのピアニストであるニコライ・カプースチンと上田正樹である。本作はご存じ名曲「悲しい色やね〜OSAKA BAY BLUES」が収録されている1枚だ。発売は1987年。デジタルシンセの音、音尻の長いスネアドラムのバックビート、ラジカセ全盛期80年代特有の音作りが懐かしい。

本作の中ではなんといっても彼の大ヒット作「悲しい色やね〜OSAKA BAY BLUES」が抜群の仕上がりである。大阪弁と詩の内容、そしてスモーキなトーンの上田正樹の歌声と息遣い、全身全霊を傾け切なく歌い上げる。レイ・チャールズやオーティス・レディングが持つあの切なさと同系統で、これがまた人情の街大阪の街の夜景によく似合うのである。

この切なく歌い上げるということはテクニックだけではどうにもならない。ある程度まではテクニックでどうにかなるのだが、あざとさが鼻についてしまう。歌の端々からも切なさをにじみださせるには、やはり全身全霊を傾けて歌いこむしかないのである。徹底的に役作りをする役者魂に似たような世界だ。

ベースラインが気になって参加ミュージシャンを調べたところ、やはりあの人の名前「高水健司」の名前がある。この人が弾くベースラインはメロディックな仕掛けが満載でありながら歌やメロディーを殺さずに楽曲のボトムをしっかり支えているから聴けば必ずピンとくる。

曲目リスト
1. ストレート・ライフ
2. イエローページは閉じて
3. レフト・アローン
4. HELLO, I LOVE YOU
5. 夜はもう止まらない
6. 悲しい色やね
7. ベイビイ・レディ
8. ピュア・マインド
9. ラストダンスは僕に
10. バラードまでそばにいて
11. 我が心のジョージア


AFTER MIDNIGHT

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Just Friends L.A.4 ~いつの間にかプレミアムがついた隠れ名盤

Just Friends
L.A.4


現在ではものすごいプレミアムがついてしまってびっくり。本作との出会いはとある中古CDショップの「エサ箱」である。「エサ箱」とは長いこと売り場に停滞していた供給過剰に陥ったアイドルや歌手たちのCDなど、行き場を失ったCDたちが流れ着く「処分品コーナー」のことである。1枚500円程度のものから、落ちるところまで落ちた作品については10枚50円などとにかく廉価。これを必死にあさっている姿がエサをあさっているように見えるから通称「エサ箱」と呼ばれるようになったらしい。

ブラジルを代表するギタリストのロリンダ・アルメイダ、西海岸を代表する名手バド・シャンク、そしてベースの巨人レイ・ブラウンとレイ・ブラウンから絶大な信頼を受けているドラムのジェフ・ハミルトン。参加メンバーの良さからは想像できないほど特徴や魅力のないジャケットが災いしたのだろうか、収録曲の凡庸さが作用したのだろうか「エサ箱」に入っていたのである。

内容はやはりアタリ。ロリンダ・アルメイダのガットギターから繰り出されるボサノバカラーのギターと流麗なバド・シャンクのアルトサックスはもちろんのこと、名手レイ・ブラウンの安定したベースワーク、タイトなファンクビートからご機嫌なラテンビート絶好調のスイングまで自由自在にたたき分けるジェフ・ハミルトンの超絶ドラミングが冴えわたっている。

これだけの名手がそろえば当然の内容なのだが、いまいち語り継がれることの少ない名盤なのがもったいないところ。一般受けを考えてギターをピアノに置き換えた楽器編成であれば結果が違っていたかもしれないが、本作では何と言ってもアルメイダのギターが参加していることが重要である。

ピアノとは違うブラジルギター独特のハーモニーが本作の最大の特徴で、手あかが付きまくった凡庸なスタンダードナンバーも彼のギターがスパイスとなって新鮮な響きになっているのがミソだ。最終曲のSpainではブラジルテイストあふれるアルメイダのギターワークに息をのむばかり。本作はSpainの隠れた名演である。


Just Friends

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Night Train オスカー・ピーターソン ~だれが聴いても納得の大名盤

Night Train
オスカー・ピーターソン

「プリーズ・リクエスト」とともに本作をオスカー・ピーターソン・トリオの最高傑作と位置づけるひともかなり多く、JAZZ名盤案内の類の書籍を紐解けばかなりの確率でマイルス・デイビスの「So What」や「'Round About Midnight」などと同様に取り上げられている。

それはピーターソントリオ独特のカッチリとした編曲も寄与してのことだが、ジャズピアノの醍醐味ともいえる明快さやスイング感が非常にわかりやすく提示されているからではないだろうか。本当にだれが見ても太鼓判を押せるほどのクオリティーである。これだけしつこいくらいオススメされている1枚なので、未所有未聴のひとは早速チェックしていただきたいのだが、本作が決して初心者マーク限定ではないことは聴けば聴きこむほど明らかになってゆく1枚でもある。

ジャズにおけるピアノトリオというのはピアノ・ベース・ドラムの三者がそれぞれ三角形の頂点に例えられる。楽器同士の関係性の話である。どの頂点が欠けても三角形が成立せずピアノトリオにはなりえないのであるが、この事を大前提に本作をピアニスト目線・ベーシスト目線・ドラマー目線で聴きこむとびっくりするぐらい度肝を抜かれてしまうのである。ピーターソンの卓越したテクニックはもちろんのことレイ・ブラウンの「超お手本」ともいうべきベースラインの組み立て方、エド・シグペンの音色や場面展開やグルーブに対する気配りなど聴けば聴くほど引き込まれてゆくのである。

ピーターソンのメロディの歌わせ方とコンピングのバランス、各指のダイナミクスのつけ方。そしてレイ・ブラウンの1拍の長さ、ピッチの正確さ、場面ごとの音域の選び方。さらにはシグペンのとても冷静な手元が繰り出す音色コントロール、ブラシにおいてのアクセントはブラシのミート部(ブラシの中ほどの部分)を使ってメタルスネア独特の低音をハズレなく引き出し、ブラシの軌道はメロディーやグルーブに対してはまさに理想。そして場面展開におけるシンバルチョイスや時折さらっと繰り出される手足を駆使したメカニカルな超絶フレーズには舌を巻くばかりである。

各々の楽器に着目してもこれだけ聴きどころが満載であるのだが本作を決定的に「歴史的名盤」たらしめている所以は、各楽器が繰り出すフレーズやテクニックの先には必ずリスナーがいるということである。ピアノが「抜き足差し足」のフレーズを繰り出したらベースもドラムもそれに追随しベースやドラムが次の展開を予兆するフレーズで場面が変化してゆく。ピアノもベースもドラムも楽器同志の絡みなどが楽曲の仕上がりというかリスナーに対する気配りが半端ない。アドリブ部分であってもまるで演奏が設計されていたかのように非常に客観的に即興で繰り広げられてゆくのである。

楽曲のチョイスや演奏などが初心者にはわかりやすく、そして楽器演奏をするような上級者には奥行深く響く。本作が幅広い層に愛されるべき名盤となっている理由はここにある。これは各楽器メンバーの「心が通い合う」ということがなければ絶対に生まれないマジックである。さすが名手ぞろいのピアノトリオである。

Night Train


■レイ・ブラウンのベースメソッド
楽器の構え方やフォーム、スケールやアルペジオをはじめとする基礎的なことからサムポジションにおけるベースソロや拡張フィンガリングまでが網羅されたベーシストならだれもが信頼を置く1冊。

Ray Brown's Bass Method: Essential Scales, Patterns, and Exercises (Eagle Large Print)

■Essence Of Brushes
これは今でも手に入るのだろうか。エド・シグペンが語る貴重なジャズブラシのメソッド。トニー・プーロン(gt)とロン・カーター(b)のデモ演奏が非常に「粋」である。現在は絶版の可能性が高い書籍バージョンもある。

Essence Of Brushes

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バンプ・シティ タワー・オブ・パワー ~彼ら黄金期の主要なレパートリーが収められた重要盤

バンプ・シティ
タワー・オブ・パワー


ご存じオークランドファンクを代表するファンクバンドのタワーオブパワー。いわゆる「ブラスロック」「ブラスファンク」といったスタイルでは当時シカゴなど同様のバンドがあったのだが、キャッチーでメロウをモットーとした彼らと対比してタワーオブパワーはずば抜けてサウンドが黒い。伝説的なアルバムも数多く稀代の名曲「What is Hip?」を含む名盤「Tower of Power」やリズムと管楽器がトリッキーに融合する名曲「Oakland Stroke」を含む名盤「Back to Oakland」など代表作がある。

本作はそんな彼らの黄金時代である初期のサウンドを収めたセカンドアルバム。ややもすれば素人くさいアートワークの肉々しいジャケットが何とも印象的で、見た目はハズレ臭がただよっているのだが内容は実に充実している。本作は彼らを一躍スターダムへと押し上げたバラッドの名曲「You're Still A Young Man」(あのYMCAとは別モノ)が収録されていることが取りざたされるのだが、「Down To The Nightclub」や「You Got To Funkifize」彼らの黄金期を代表するレパートリーの中でも重要な楽曲がバランスよく詰まった名盤であるのも見逃せない。

分厚いブラスセクションの響きや丁寧なガルバルディのドラミングや絶妙な音価のロッコのベースの安定感はもちろんのことだが、なんといっても最初期のリードボーカルを担当するリック・スティーブンスが参加する貴重な1枚でもある。

バンプ・シティ

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ヤング・ジャンゴ ステファン・グラッペリ ~ジプシースイングは不滅だ

ヤング・ジャンゴ
ステファン・グラッペリ


先日Win7にパソコンを変えてから早速困ったことがでてきた。PCが勝手に再起動し作業中のデータが消えたのである。調べたところWin7はデフォルトの場合WindowsUpdateが自動インストールされるように設定されており、インストール後はご丁寧にも自動で再起動するように設定されているのだ。早速手動で再起動へ変更した。Win7は使い始めて日が浅いためまだ謎だらけのOSである。

それはさておき本作のステファン・グラッペリ(1908年-1997年)といえばジャズバイオリンの草分けでありジャズ界のご長寿である。ジャズギタリストの源流であるジャンゴ・ラインハルトの相方として、ジャンゴの小気味よいスイングするギターに対するよく歌うバイオリンでジプシースイングスタイルを確立。もはやその関係はオール阪神に対するオール巨人、サンドイッチマンの伊達に対する富沢のような、どちらが欠けてもユニットが成立しない切っても切れない関係である。

グラッペリの長いキャリアのなかでもジャンゴと共演した1950年代の音源にスポットライトが当たってしまうのは致し方ないことだが、本作はそんな風潮に一石を投じる存在ではないだろうか。ひとつのスタイルを築き上げた過去の遺産が素晴らしいのはもちろんのことだが「懐メロ」のみにとどめておくのはあまりにももったいない。

本作は1979年にリリースされた快作。アルバムタイトル通りジャンゴにささげられた1枚なのだがジャンゴ=グラッペリの足跡をなぞる「懐メロ」とは一線を画す存在だ。グラッペリより一回り二回りも若いロック世代のラリー・コリエル(Gt)や、晩年のチェット・ベイカーをサポートしたフィリップ・カテリーン(Gt)、バカテクのベース奏者ペデルセンを従え、彼のバイオリンは時空を超えて問答無用にグイグイとスイングし歌いまくる。非常に楽しい内容の名盤でとりわけ名曲「マイナースイング」が圧巻、ペデルセンの超絶ベースがうなりまくる。そして最終曲で本業も真っ青のグラッペリのピアノがここでも炸裂する。

ジャケット写真はおじいちゃんと孫である。だがしかしカテリーンもコリエルも楽曲提供しており世代の差というかジェネレーションギャップのような違和感は全くなくジプシースイングが現代にも十分通用するものであることが体験できる。優れた音楽は現在進行形なのである。本作はきっとグラッペリが天国のジャンゴへ宛てた「ジプシースイングは不滅」という旨の手紙のようなものではないだろうかと思う。

ヤング・ジャンゴ

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Beethoven Piano Sonatas 13 14 & 15 ~名手ロルティによるベートーベン

Beethoven Piano Sonatas 13 14 & 15
ルイ・ロルティ


ベートーベンのピアノソナタものである。不遜にもベートーベンまで手が出し切れていないわんわんわんなのだがそこに名盤があるかぎり紹介しなければならない。胸のすくようなショパンのエチュードやラヴェルのピアノ作品集にて本ブログで何回か取り上げているカナダの名手ルイ・ロルティ。彼はまたベートーベンの名手でもあった。

彼のピアノスタイルは鍵盤をたたく強さによって倍音成分の出方が変化するというのを熟知しているようで感情に任せて鍵盤をぶっ叩くようなこと決してしない。消え入るような沈み込むようなピアニッシモから燃えるようなフォルテッシモまですべてが完璧にコントロールされている。

さまざまな表情をさまざまな音色に持たせることができる完璧なメカニカルの技術、テンポの速い遅いに流されることのない非常に端正なタッチで奏でられるピアノは技術的完成度が高くピアニストが聴いたならばきっと気が狂うほどの楽器コントロール力に違いない。

ベートーベンの楽曲といえば楽曲のもつ勢いでゴツーンとやってしまいがちなのだが、彼の手にかかれば癖というか表現に偏りがないためベートーベン初心者にも安心して聴きとおせる1枚となる。むろん上級者にもおすすめではないかと思う。

Piano Sonatas 13 14 & 15

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The Lost Sessions パキート・デリベラ ~名手デリベラの発掘セッション

The Lost Sessions
パキート・デリベラ


XPのサポート終了に伴いPCの買い替えを余儀なくされ、たいしたファイルもないためなかばXPと心中しようかと思っていた矢先であった。ヤフオクにてワークステーションが格安にて出品されていたので即落札。企業のリース切れのWin7搭載マシンが大量に出回っていたのであった。私事で音楽の作成のほか仕事で3DCADも扱うには十分なスペックであったので大満足。先ほどやっとPCの引っ越しが終わったところだ。

ラテンジャズの伝説的カリスマバンド「イラケレ」の重要人物パキート・デリベラ。音楽といえばクラシックが盛んなキューバにて1984年の生まれ。5歳のころクラシック奏者であった父の影響でクラリネットやサックスなどを習得し、6歳で早くもステージに立っていたという。アンパンマンを卒業したてのちびっ子が堂々たるステージにたつその驚きのスーパーちびっ子っぷり。1980年にイラケレのメンバーであるアウトゥーロ・サンドバル(tp)とともにスペインツアー中にアメリカへ政治亡命する。

本作はアメリカへ亡命する直前の1976~78年にかけて4つのバンドの5回行われた未発表セッションを集めたもの。ストレートアヘッドなジャズのスタンダードナンバーからコテコテのキューバ音楽、ロックでヘビーなファンクジャズまで彼のマルチな活動ぶりが収録されている。

クラリネットやアルトサックスを駆使したご機嫌なサウンドは猛烈にスイングし、時にはフリーキーなフラジオサウンドも炸裂する。そしてラテンナンバーにては哀愁のサウンドを聞かせてくれる。しかし根底にある音色のキャラクターは底抜けに明るくハッピーである。

朋友アルトゥーロ・サンドバルをはじめチョーチュー・バルデスなどのキューバの至宝とよばれるメンバーが参加している。ノリにのった全盛期イラケレのメンバーによるセッションはなんとも豪快でジャジーでファンキー。まさに発掘音源である。

The Lost Sessions

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