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ラヴェル:ボレロ クラウディオ・アバド(Cond) ~アバドの「燃えるボレロ」

ラヴェル:ボレロ
クラウディオ・アバド(Cond)


クラウディオ・アバド氏の訃報が巷を駆け抜けたことが記憶に新しい今日この頃、アバド指揮によるロンドン交響楽団の「燃えるボレロ」を聴かねばという使命感に似たような衝動を感じた。不意なのか故意なのか楽曲クライマックスの銅鑼に触発されて団員たちが「ゴーォー!」というか「グァー!」というような叫び声が聞こえるあの名演である。あの団員たちの只ならぬ高揚感あふれる雄たけびが記憶のどこかに焼きついていたのだ。

本作の「ボレロ」はいわゆるラヴェルの楽曲の持ち味である木管楽器にウエイトを置いたフランスらしい響きというものに欠けるのだが、アバドのメロディーを大切に響かせる演奏スタンスは不思議とラヴェルのメロディアスな側面を際立たせている。フランス的な響きに評価のポイントを置いたレビューでは本作のことを「荒い演奏」と位置づけるのだが、そもそもアバドはラヴェルの楽曲に対する調理法が違うのである。100人指揮者がいたら100通りのボレロがあっても別に良いのである。

ラヴェルの楽曲は特徴として一つ一つの楽器の音色を緻密に掛け合わせてサウンドを作るものが多くハーモニーも半音階的(クロマチック)なアプローチも多用されて非常に近代的で、まさに「精密機械仕掛け」という例えがぴったりくる。したがってオーケストラ団員が嫌がるほど綿密なリハーサルを何度も繰り返すチェリビタッゲや超完ぺき主義のブーレーズのようなリハーサルを綿密に行う指揮者に名演が多いとされる。ラヴェルの代名詞といえるようなアンドレ・クリュイタンス指揮のようなスネアによるリズムの訛り(グルーブ)もリハーサルで練り上げなければこのように行かない。

チェリビタッゲやブーレーズを緻密で丁寧な線描による詳細画とするならば、アバドの場合は短時間で対象物の本質を捉えて描きあげたクロッキー。楽曲が持つメロディーの本質にフォーカスをあててそこへスピーディーに整然と線を描いてゆくのである。その証左として思いのほか旋律が入り組んでいる「亡き王女のためのパヴァーヌ」においての弦と管の織り成す音の渦はメロディアスでドラマティックでありながら非常に整理されており、その楽曲のよさを引き出す演奏設計は息を呑むほど見事である。

曲目リスト
1. ボレロ
2. スペイン狂詩曲 夜への前奏曲
3. スペイン狂詩曲 マラゲーニャ
4. スペイン狂詩曲 ハバネラ
5. スペイン狂詩曲 祭り
6. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 前奏曲
7. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 第1曲:紡ぎ車の踊りと情景
8. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 第2曲:眠りの森の美女のパヴァーヌ
9. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 第3曲:美女と野獣の対話
10. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 第4曲:おやゆび小僧
11. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 第5曲:パゴドの女王レドロネット
12. バレエ音楽≪マ・メール・ロワ≫ 終曲:妖精の園
13. 亡き王女のためのパヴァーヌ

ラヴェル:ボレロ、スペイン狂詩曲、パヴァーヌ

【関連記事】ラヴェル
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■ラヴェル:マ・メール・ロワ、ボレロ、スペイン狂詩曲 ブーレーズ(cond) ~ラヴェルオーケストラ作品の名盤
■ラヴェル:ボレロ、他 指揮:ミュンシュ パリ管弦楽オーケストラ ~稀代の爆演王ミュンシュ
■ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、他 指揮:クリュイタンス ~ラヴェルオーケストラ作のリファレンス盤
■ラヴェル:ダフニスとクロエ 指揮:チェリダビッケ ~本当に美しいものを目の当たりにすると人は動けなくなる
■ラヴェル:ボレロ、他 クリュイタンス~ボレロの決定盤
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ビレッジ・バンガードの大西順子 ~時を隔ててもなお人気の高い彼女の名盤

ビレッジ・バンガードの大西順子
大西順子


今風に言えば「美しすぎるジャズピアニスト」となるのだろうか。「美人ピアニスト」を前面に売り出された大西順子2004年の作品。数々の名演を生んだNY名門ジャズ・クラブ「ビレッジ・バンガード」でのピアノトリオによるライヴ録音。彼女をサポートするのはウィントン・マルサリス・グループのバックを務めていたレジナルド・ヴィール(B)とハーリン・ライリー(Dr)。

当時「美人ピアニスト」として売り出したレコード会社の思惑をひっくり返すような力強い演奏スタイル。1曲目からチャールス・ミンガス作曲の「So Long Eric」などという個性の強い選曲。細身の彼女から繰り出されるパワフルなタッチはサポートするNYのトップミュージシャンが相手でも豪快にスイングする。豪快なスイングが持ち味と思えば2曲目の「Blue Sky」の繊細なピアノタッチに息を呑む。オーネット・コールマンの楽曲も彼女らしい選曲だ。

ついこの間であるが彼女が引退をしたというニュースを耳にした。彼女の音楽生活の締めくくりとして、長野県松本市の音楽祭サイトウ・キネン・フェスティバルにて小澤征爾が指揮するサイトウ・キネン・オーケストラとジョージ・ガーシュインの名曲「ラプソディー・イン・ブルー」を共演。彼女の引退を小澤氏は相当惜しんだという。

引退する理由として「自分が思うような仕上がりになければ、プロとして人前で演奏するわけにはいかない。ならば引退もありではないかと思った」と語っていた。そう語る彼女の言葉には誰よりもプロとしての誇り高い職人気質を垣間見ることができ、そこが「美人ピアニスト」として売り出され一時代を牽引してきた彼女らしい決断であった。

ビレッジ・バンガードの大西順子

【関連記事】女性ピアニスト、ビレッジ・バンガード
■Live at Maybeck Vol.1 ジョアン・ブラッキーン ~人気企画「メイベック・シリーズ」の第1作目
■The Vanguard Date スティーブ・キューン ~幻の名盤となること間違いなし。
■アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガ-ド Great Jazz Trio ~アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガ-ド ~メローなドラムソロにやられます!
■Life's Magic スティーブ キューン ~急げ!再発されましたよ!

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THUNDER LIVE カシオペア ~若さあふれるもうハチャメチャ(良い意味で)な名演

THUNDER LIVE
カシオペア

今年の風邪はしつこい。日常的に音楽は広く浅く聴き続けているものの、それを誰かに伝えようとしても体力と気力が続かず布団へ直行。今月はずいぶんゆっくりな記事更新だが体調は快方へむかいつつある。

さて閑話休題。本作は日本のフュージョンバンドのなかでもとりわけ人気が高いカシオペアの1980年のライブ盤。あまりジャパニーズ・フュージョンは詳しくないのだがカシオペアのライブ盤の中でも特に評価が高い1枚ということで入手。現在は世界的な知名度を誇るスーパードラマー神保彰が加入した直後の作品である。

さすがは血気盛んなころのパフォーマンスだけに演奏に若さと勢いが感じられる。特に神保のドラムは鬼のような勢いがあり圧倒される。ルーディメンタルで粒のそろった音色にスティーブ・ガッド、そして様々なパラディドルをリズムパターンへ応用したカラフルなフレーズにデビッド・ガルバルディ。この二人の影響が強烈に色濃く爆発したドラミングである。

他のメンバーも良い意味でハチャメチャでありテクニカルであり、当時流行の楽器事情も含めこの時代だからこそできた若さあふれる演奏だ。いろんな要素がぎゅっと詰め込まれた彼らの最強ライブアルバムである。

THUNDER LIVE

■Up Close STEVE GADD
いわずと知れたスティーブ・ガッドの教則ビデオ。ルーディメントをドラムセットに応用する方法や右足の動き左足の動きを目で見て確認。なるほど、そうやって動かすとバスドラムを右足1本で高速連打できるのかと納得。おなじみのドラムソロであるクレイジー・アーミーも拝める。ガッドの好き嫌いはともかくドラマーなら持っていて損は無い1本だ。

Up Close [DVD] [Import]

■デヴィッドガリバルディ フューチャーサウンド
「THUNDER LIVE」を聞きながらこれに目を通すだけでも神保彰がいかにデビッド・ガリバルディの影響を受けているかがわかる。神保の複雑なドラミングもこういう仕組みになっていたのかと納得。

デヴィッドガリバルディ フューチャーサウンド(CD付) ファンクドラム強化メソッド


■Technique Patterns Book
バークリー音楽院ゲイリー・チェイフィー著。ドラム界では比較的有名なテキスト。名著「スティック・コントロール」の内容をモダンに発展させた内容。スティッキングの整理とパラディドルを効果的にドラミングへつなげるアイデアの素となること請け合いだ。全編英語だが音楽のためなら辞書を片手にがんばるしかない。

Patrones de Tecnica / Technique Patterns

■Sticking Time Linear Time Rhythm & Meter
これもゲイリー・チェイフィーの教則DVD。上記の「Technique Patterns Book」を手足に振り分けリニア・ドラミングへと発展した内容をゲイリー・チェイフィー自ら実演。目と耳で「Technique Patterns Book」の効果やアイデアを確認するとともにその圧倒的なパフォーマンスに度肝を抜かれる。

Sticking Time Linear Time Rhythm & Meter [DVD] [Import]

■Phrasing & Motion
「Sticking Time Linear Time Rhythm & Meter」の姉妹盤。その名のとおりフレージングとその動きについての解説だ。ダブルストロークの1打目と2打目を別の楽器に振り分けるアイデアはとても秀逸。なによりもその動きの流麗さに心奪われる。

Phrasing & Motion [DVD] [Import]

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ALWAYS スターダスト・レビュー ~スタレビのボイスオーケストラ作品大本命

ALWAYS
スターダスト・レビュー


久しぶりの記事更新。大阪出張を無事におえ名古屋エリアへ戻るもののどうも体調が良くない。どうやら風邪をこじらせているようで直りかけては再び悪化し、3歩進んで2歩戻るような生活が続いて週末は寝込んでばかりであった。

そんな状況の中、手にするCDは必然的に手の届く範囲にあるものに偏り、舘野泉のシベリウス小品集などを聴いては戻しなどと(ダブって買っても悔しくないほど何度聴いても良い作品のだが…)繰り返すうち、ふと手に伸びたのが本作。スター・ダスト・レビュー(以下スタレビ)のボイスオーケストラ作品である。早速1曲目の「トワイライト・アヴェニュー」のコーラスワークに包まれ、偶然手が伸びたこの1枚が必然の出会いに変わる。

コーラスワークに定評のあるスタレビのボイスオーケストラ作品は「CHARMING」や「DEVOTION」など他にもあるのだが、本作は中でも最も人気の高い作品としてファンに認知されている。それはボイスオーケストラ版にアレンジしたセルフカバーを含め「昭和の心」をくすぐる選曲の妙なのである。

彼らのボイスオーケストラ作品のコンセプトは洋の東西をとわず自分たちが出会ってきた素晴らしい歌にリスペクトをこめてコーラスアレンジを施したものだから必ず「昭和の心」をくすぐる1曲がはいっている。「CHARMING」における「上を向いて歩こう」や名作「DEVOTION」における「元気を出して」などがそうで、本作は「オリビアを聴きながら」ではないかと思う。

やはりメインボーカルを務める根本氏は「女歌」が圧倒的にウマイ。キーが高くともファルセットに頼らずに歌い上げる力強くまっすぐな発声。いつのまにか引き込まれてしまう魅力がある。他にも名曲ぞろいで「夢伝説」の再収録バージョンや小田和正とのコラボなどもあり、何回聴いても十分楽しめる1枚である。

曲目リスト
1. トワイライト・アヴェニュー
2. あの娘のラブレター
3. 水曜日の午後
4. LADY PINK PANTHER
5. 夏の陽
6. オリビアを聴きながら
7. 翳りゆく部屋
8. 思い出はうたになった
9. 夢伝説 (2008年新録) (BONUS TRACK)

ALWAYS

【関連記事】スタレビ
■シベリウス:ピアノ小品集 舘野泉 ~ダブって持っていても全く苦痛ではない1枚
■DEVOTION スターダストレビュー ~探してでも手に入れたい「アカペラ」ものの1枚
■HOT MENU スターダスト・レビュー ~スタレビ真のベスト盤

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大阪出張です

大阪出張中です。記事の更新ちょっとの間お休みです。

Green Grove John Stetch ~オーディオファン必携の名盤

Green Grove
John Stetch

カナダ人のジャズピアニスト、ジョン・ステッチのピアノトリオ作品「グリーン・グローブ」。ジャズ評論家でジャズ喫茶「MEG」のオーナー寺島靖国氏がオーディオ・チェック盤として使用していることでも有名。スピーカーをセッティングする際のケーブルの接続ミスや左右チャンネル相位の確認、そして高中低各音域での聴覚上のバランスを整えるのに使用するという。寺島信者は必携人気の一枚である。

確かに録音のよさが伝わってくる内容で、ジャズピアノ作品にありがちな録音内容をリバーブやコンプレッサーでごまかすようなことは一切なく、たいした再生設備でなくてもよさが伝わってくる。木のハコが発する硬さと柔らかさを兼ね備えたウッドベースの音色、丁寧に調律されたピアノを弾くジョン・ステッチの澄み通るピアノタッチなど個々の楽器が曇ることなくはっきりききとることができるが特にドラムの録音が良いのである。

マイクの立て方や音量バランスが秀逸なのであろう。ドラムセットの各楽器が左右にバランスよく収められているので、楽器同士の音がかぶってしまうことなく個々の鳴りをはっきりと聴きとることができる。ブラシがドラムヘッドを泳ぐ様子やシンバルワークにてスティックが弾んで木が鳴っている様子やシンバルの繊細な低音などが見事にとらえられている。ドラムを演奏する人ならばスティックの高さや角度、ドラムヘッドのどの場所をたたいているかがわかるだろう。

寺島氏は2曲目のジャズブルース「Chips For Crunch」のシンバルとベースを推してみえるようだが、個人的にはジャズドラムの革命児トニー・ウイリアムスの名曲「シスターシェリル」が非常に素晴らしい。楽曲の内容に力強く澄んだ演奏とクリアな録音の質が見事に調和しているので「シスターシェリル」の代表的名演奏といっても言い過ぎではないだろう。


Green Grove

【関連記事】トニー・ウイリアムス
■YOUNG AT HEART トニー・ウイリアムス ~歴史的ドラマーの遺作にして名盤
■Four & More ~ドラマー必聴の1枚
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