わんわんわんの名盤探索

わんわんわんがオススメする名盤

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Together Again ビル・エヴァンス(P) トニー・ベネット(Vo) ~この2人の駆け引きはいつ聴いても素晴らしい

Together Again
ビル・エヴァンス(P) トニー・ベネット(Vo)

びっくり仰天した。東は東京へ西は大阪まで足を運び長年探し続け、やっとの思いでゲットした本作がいつのまにかAmazonにて販売されている。しかもオリジナルジャケットでお値打ち価格にて販売されているではないか。当時は相当貴重なレア盤であったのにサクっとAmazonにて買うことができるのである。便利な時代になったのもだと思うと同時に複雑な気持ちになる。

ご存知ジャズピアノの詩人ビル・エバンスと米エンターテイメント界の大物トニー・ベネットとの共演盤。この二人が共演するのは本作が2回目でタイトルが「Again」となっている。前回の共演は以前記事にもとりあげたことがある「Tony Bennett & Bill Evans Album」である。こちらは言うまでも無く名盤である。本作はやや前作にくらべると日のあたりにくい存在であるが、内容は非常に素晴らしい。

やはりここでもエバンスの「静」とベネットの「動」の対比がすばらしい。彼の深遠なるピアノタッチから生まれる繊細なサウンドはクラシック界の奇才グレン・グールドでさえもレコードを持ってチェックしていたというほどである。そして体全体が楽器となり力強く歌い上げるトニー・ベネット。ジャズスタンダード曲にありがちな甘すぎる歌詞の内容などどうでも良くなってくる。

「静」と「動」相反する要素であるがお互いに戯れあったり駆け引きをしたり、一緒に駆け抜けたり座って会話したり…。静かなるビル・エバンスのピアノがトニー・ベネットの勢いにひっぱられて熱を帯びてきたり、逆にエバンスのピアノに寄り添うようにトニー・ベネットが静寂を歌ったり…。彼らのやり取りを聴いていると約1時間ちょっとの時間は一瞬のように過ぎ去ってゆくのである。

オリジナル音源の回転ムラによるものだろうか、ピッチのゆれが一瞬気になるところがあったり、大変優れた前作のこともあるので隠れ名盤的な位置づけになるのだろう。それであっても本作はエバンスファンはもちろんのことジャズを愛する全ての人にとって、再び「幻の名盤」となってしまう前にゲットしておきたい1枚である。


Together Again

【関連記事】ビル・エバンス、トニー・ベネット
■Tony Bennett & Bill Evans Album ~ビルエバンスの夢が実現
■ワルツ・フォー・デビー ~北欧の妖精がうたう奇跡の1枚
■Explorations ビル・エヴァンス ~ポール・モチアンのドラムが大穴的にすばらしい名盤
スポンサーサイト

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

シベリウス:ピアノ小品集 舘野泉 ~ダブって持っていても全く苦痛ではない1枚

シベリウス:ピアノ小品集
舘野泉


某名古屋の中古CD屋で「見たことのあるような無いようなジャケットだ」と思い、手に取ったその1枚を持ってそそくさとレジへすすむ。CDをプレイヤーに入れるや否や素晴らしい演奏に耳を傾ける。数曲聴いて「どこかで聴いたような…」とデジャブにおそわれて確認してみると悪い予感が見事的中。

ダブっていた。全く同じ内容だ。あの時購入したやつはいわゆる手持ちのCDのジャケット違いであった。よく似たような別の作品にだまされたのか、価格のお求め安さにだまされたのか、ダブって買ってしまったことを後悔する。通常ならばここで嫌気が差してCDを取り出すのだが、本作の場合は別の展開をした珍しい1枚だ。

舘野氏の深遠なるピアノタッチにて奏でられるシベリウスのピアノ小品集は耳を傾ければ傾けるほど心の中の悔しさが徐々に希釈されてゆくのである。そして徐々にシベリウスの世界に入ってゆくのである。改めて聴けば聴くほど強まる「全曲捨て曲なし」という思い。最終的には悔しさが消え去りいつの間にかCDプレイヤーのヘビーローテーションになっていたのである。

1曲目の「ロマンス 変ニ長調 」からグイグイ引き込まれ…名曲「樅の木」で背筋がピンとなり…「即興曲 第5番 」で再び耳が音に奪われて…。なんど繰り返し聴いても一通りの感動が沸き起こる。学習能力が無いのかと疑わしくなってくるのだがもう一回聴いてみてもやっぱり同じである。

先日風邪をひきまして…と記事にしたのだが、のどがイガイガして自分で自分を支えることすら苦痛になる。たった数度体温が上がっただけで健康ではなくなってしまうこの不思議。音を聴くだけでズキズキと頭が痛む。そんなときのテレビの騒音は苦痛でしかない。しかし舘野氏の奏でるシベリウスは抵抗無く聞き入ってしまう。このように風邪をひいて寝込んでいる最中にもお世話になった次第である。

本作は「ダブって持っていても全く苦痛ではない1枚」というポジションになった。このレベルまでこれば誰がなんと言おうとも胸を張って名盤認定したい。しかし最初に購入したほうのが断然ジャケットは良い。Amazonリンクの画像は最初に購入したほうである。いうまでもなく内容は今回紹介したやつと全く同じである。

シベリウス:ピアノ小品集

【関連記事】シベリウス、舘野泉
■グリーグ 抒情小曲集 舘野泉(P) ~ピアノが奏でる何とも可憐な楽曲たち
■タピオラ幻景 -左手のためのピアノ作品集2~五本の指から放たれる宇宙
■シベリウス:ピアノ小品集 舘野泉(P) ~簡素で可憐なシベリウスの作品集
■北の詩情~シベリウス:珠玉のピアノ小品集 ピアノ:ビータサロ ~北欧の巨人シベリウスのなんとも可憐なピアノ小作品集
■カスキ作品集 舘野泉 ~フィンランドの魂
■ひまわりの海 セヴラック作品集 舘野泉 ~「よい匂いのする音楽」とはよく言ったものだ

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

風邪ひきまして

今週のアタマからずっと風邪ひいてまして記事の更新やコメントの返信が滞ってしまってます。病状が良うなり次第ぼちぼちやってゆきます。ご訪問してくださった方々もうしばらくお時間ください。

Real Book スティーブ・スワロウ ~シャレが効いているスタンダードナンバー

Real Book
スティーブ・スワロウ


「Real Book」とはジャズ屋さんにとっておなじみのアレである。メロディーとコードネームがかかれたジャズのスタンダード曲の楽譜である。われわれジャズ屋さんはこれでアドリブの練習をしたりするのである。1冊に300曲以上収録されており、これがVol.1~Vol.3まであるのである。

最近は「Real Book」に対して「Fake Book」というものがあり「Real Book」の掲載からもれた曲が収められている。~Bookシリーズはファンクやボサノバ、ラテンなどいろいろな分野にわたり展開されており、まさにポピュラーソングのスタンダード曲集となっている。最近はiPhone用にアプリが出回っている次第であるという。

本作はベーシストであるスティーブ・スワローの作曲家としての側面が色濃く出た名盤である。彼は昔アート・ファーマーやスティーヴ・キューンのバンドでウッドベースを弾いていたのだが、腰を悪くしてエレキベースに乗り換えたという話がある。ウッドベースの運搬中に腰をやられたのだろうか。その話の真偽は定かではないがジャズ界のベーシストでエレキベースを弾くというかなりの異端である。指引きではなくギタリストのようにピック弾きだという。そのピックが金属製というからかなりの異端である。

1曲目からジャック・デジョネットのドラムソロで幕を開け、ぶっ飛んだ楽曲で非常にスリリングな内容だ。一見(一聴)突拍子も無くヒステリックなメロディーとコード進行かと思われるのだが不思議とここちよい整合性が保たれているのでハラハラしつつも安心して聴ける内容。そこにコンポーザーとしてのスティーブ・スワロウの手腕が伺える。

「売れること」を目的とした耳障りの良いアメリカポップスの名曲が多く収められているはずの「Real Book」であるが、本作はアルバムジャケットのコーヒーの染みのように共演ミュージシャンのチョイスやスティーブ・スワロウのスパイスというかシャレが効いている。ちなみに4曲目の「Outfits」は本当にReal Bookに掲載されている。

Real Book

■THE REAL BOOK - VOLUME 1
こちらが本物の「Real Book」。ジャズをやる人たちは必携だ。

THE REAL BOOK - VOLUME 1 Sixth Edition For All C Instruments

【関連記事】スティーブ・スワロウ
■EnRoute ~アウトの王様ジョンスコのNYライブ
■シノーラ ジョン・スコフィールド ~初期ジョンスコの傑作ライブ

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

Aria TRISPACE ~名古屋を代表する「美メロ」ピアニスト。

Aria
TRISPACE


今や名古屋を代表する若手ジャズピアニストの林祐市をリーダーに結成されたピアノトリオ「TRISPACE(トライスペース)」。ベースの大村氏やドラムの山下氏など名古屋を代表するつわものぞろいが参加。近年名古屋界隈であちこちで名前を聞くようになり着実に人気を固めているようである。名古屋市の鶴舞を拠点にしたジャズピアノ教室も盛況な様子だ。

本作はグループ名を冠した前作の「TRISPACE」から2年後に出された2作目となる。彼は「美メロ」ピアニストとしていろんなところで話題になるのだが、いくら美しいメロディーを弾いたとしても楽器の鳴らし方が伴っていないと台無しになる。しかし、あらためて聴いてみるとピアノの弾き方というか楽器の鳴らし方が前作よりものすごく丁寧になっているのに驚かされる。特にニュアンスを表現するキータッチがすばらしく「美メロ」ピアニストとしてまたしても進化したようである。

彼の楽器の鳴らし方に加えてブラシがドラムヘッドを泳ぐ様子やシンバルの深い低音、ベースが鳴らす木のぬくもり。ピアノトリオにありがちな不自然なリバーブ補正やコンプレッサー補正などに頼ることなく、すべての細部までしっかりと捉える録音の質の高さにも着目したい。

ストレートアヘッドなジャズからジャズロックやエスニックのような音楽まで全曲通じてオリジナル曲の多彩さも彼の音色を堪能できること請け合いた。

ハービー・ハンコックやキース・ジャレットの良いところを消化し着実にオリジナリティーを積み重ねているようすがわかる。ピアノトリオにありがちなジャズスタンダード曲に頼りきった選曲でなく自らのペンによるものだからこそ貴重なのである。特に最終曲の自作ピアノソロ「Friends」は筆舌に尽くしがたい音色である。

前作も本作もピアノトリオ好きならば必ず気に入っていただける内容で、最近はスペインなどヨーロッパにて人気が高まっているようで、ひょっとしたゆくゆくは逆輸入されるかもしれない1枚である。

Aria

【関連記事】林祐市、キース・ジャレット
■TRISPACE TRISPACE ~名古屋ジャズ期待の若手ピアニスト。
■ウィスパー・ノット キース・ジャレット ~キースを語る上での重要なライブ名盤
■ザ・ケルン・コンサート キース・ジャレット ~奇跡の1枚
■The Melody At Night, With You キース・ジャレット ~涙があふれるほどの美しいメロディーの便り

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

一触即発 四人囃子 ~日本語プログレを侮ること無かれ!

一触即発
四人囃子


このごろ音楽家の訃報が目に付く。2014年1月20日は世界的指揮者のクラウディオ・アバド氏。オーケストラの楽団員が思わず絶叫してしまったというラヴェルのボレロが稀代の名演とされている。そして2014年1月16日には音楽プロデューサーの佐久間正英が永眠した。

佐久間氏がプロデュースしたバンドはGRAYやブルーハーツなどなど、日本のロックシーンに無くてはならない「時代を作った人」であった。氏は日本が誇る日本語プログレバンドのさきがけ「四人囃子」のメンバーであることは周知のことだ。

本作は佐久間氏が参加する前の作品で四人囃子のファーストアルバム。佐久間氏のことに触れておきながら本作を紹介するのは少し違う気がするが、氏の訃報に触れたときに本作のことを思い出したのであながち間違いではなさそうだと思っている。ちなみに佐久間氏はセカンドアルバムからの参加となっている。

さて内容についてなのだが「日本語プログレを侮ること無かれ!」。本作のことを人々は「日本語ロックの名盤」「歴史的名盤」というのだが全くそのとおりである。これが1974年の音だとはにわかに信じがたい。

キングクリムゾンを髣髴させる非常に高い演奏技術と独特のプログレッシブな楽曲、そこに乗っかる唯一無二な世界観を持つ日本語の歌詞。収録曲も「おまつり」「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」「一触即発」…、捨て曲なしである。特に「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」は衝撃モノである。

残念ながら本作は非常に入手が難しくなってきているようだ。もしどこかで出あったならば必ず手に入れておきたい1枚だ。

一触即発(+2)(紙ジャケット仕様)

【関連記事】
■MINAKO ~吉田美奈子
■SPACY 山下達郎~「うわぁ!」と1曲目からグイッと引き込まれる1枚
■美しい星 赤い鳥 ~翼をください
■SONGS シュガー・ベイブ ~これぞエバー・グリーンなJポップの金字塔
■BELLS 吉田美奈子 ~世界でたった3000枚の「幻の名盤」

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

Conversations With Christian クリスチャン・マクブライド ~彼がなぜファーストコールベーシストなのかが手に取るように解る1枚

Conversations With Christian
クリスチャン・マクブライド


ジャズ界のファースト・コール・ベーシストとしてハンク・ジョーンズやチック・コリアなどの大御所からウイントン・マルサリスなどの若手(?)まで幅広い信頼を受けているクリスチャン・マクブライド。本作はタイトルどおり彼がさまざまな人たちをゲストを曲ごとに迎え、ウッドベース+ゲストの二人だけによる会話をおさめたものだ。

そのゲストは多彩で超一級。今をときめくジャズバイオリニストのレジーナ・カーターや、大御所チック・コリア、ジョージ・デューク、エディ・パルミエリ、ビリー・テイラーにハンク・ジョーンズ、ディー・ディー・ブリッジウォーターにロイ・ハーグローヴ、ラッセル・マローン…。名前だけでも人脈と音楽性の広さが解る。

これが1曲目から大当たり。アンジェリーク・キジョーのアフリカを感じさせる歌とウッドベースだけなのだが原色のグルーブによる大地のサウンドが広がる。3曲目のスティングとのデュオはもはや二人だけの世界とは思えないほどのクオリティーの高さである。ファンクの帝王ジェームス・ブラウンのマニアと知られる彼はディー・ディー・ブリッジウォーターとのデュオでファンク・グルーブの真髄をウッドベースで演奏する。

大御所を相手にしたジャズはもちろんのことクラシック、ラテン、ワールドミュージック、ファンク、ロック、実験的な音楽などなど、それぞれのゲストの音楽性に合わせてウッドベースからいろんなサウンドを奏でる彼の「テクニックと音楽性の引き出しの多さ」が冴え渡る。彼が多くの一流どころから声がかけられる理由がわかる納得の一枚である。


Conversations With Christian

【関連記事】ジャズベース、ジェームス・ブラウン
■Visitation サム・ジョーンズ ~「グルーブ職人」の貴重なリーダー作
■Voyage 安ヵ川 大樹 ~ベース1本で弾ききる見事なソロの世界
■ランドスライド カーティス・カウンス ~西海岸の名ベーシストの隠れ名盤
■Double Bass Niels-Henning Orsted Pedersen、Sam Jones ~ベースの巨匠が挑む名盤
■49th Parallel ~ニール・スウェイソン(B)初リーダー作
■JAMES BROWN'S FUNKY PEOPLE ジェームス・ブラウン ~JBサウンドのエキスそのもの
■Soul on Top ジェームス・ブラウン ~これぞファンクなビッグバンドサウンド。
■ライヴ・アット・ザ・ニューモーニング、パリ RAD. ~超ノリノリのファンク姐さん
■Live at Yoshi's ~楽しすぎるライブアルバム

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

Live ボブ・マーリー ~ハートフルな一体感が包み込むボブ・マーリーの決定盤

Live
ボブ・マーリー


本作は「キング・オブ・レゲエ」ことボブ・マーリーと彼の率いるバンドWailersが1975年にロンドンにて行ったライブ録音。彼の作品に名作と呼ばれるものは多数あるのだが、その中からあえて一枚のみチョイスとなると何を差し置いてでも本作をオススメしたい。

収録曲も彼の代表曲が数多く収められており「Get Up, Stand Up」「Trenchtown Rock」など名曲そろいであるが、中でも「No Woman, No Cry」においてオーディエンスとステージが一体となる様は秀逸。ハモンドオルガンに導かれて登場するメロディーは極めてシンプルだが、会場にいる全ての人がそのメロディーを口ずさんでいるので分厚い響きとなる。

そのハートフルな響きの興奮冷めやらぬまま「I Shot The Sheriff」へ突入するこの黄金の連続感。ライブならではの一体感をはぐくむ「場」のパワーが半端ない。それは数十年たった今でも、スピーカーの向こう側であったとしても色あせることはない。

Live

【関連記事】レゲエ
■Reggatta De Blanc ザ・ポリス ~今も色あせぬ次世代パンクロック
■聖なる館 レッド・ツェッペリン ~多様な音楽性はただのハードロックではない証
■Animal Logic II アニマル・ロジック ~異種業態が集まった最高のポップス

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

Buhaina's Delight アート・ブレイキー・アンド・ジャズ・メッセンジャーズ ~三管時代の代表作

Buhaina's Delight
アート・ブレイキー・アンド・ジャズ・メッセンジャーズ


本作はアート・ブレイキー・アンド・ジャズ・メッセンジャーズ(以降JM)のフレディ・ハバード(Tp)、ウェイン・ショーター(Ts)、カーティス・フラー(Tb)による三管編成期を代表する作品。ウエイン・ショーターが音楽監督となりJMがハードバップからモーダルなジャズへと変貌した時期で、この当時のJMをマイルス・デイビスが見てショーターを自分のバンドへ引っこ抜いたとも言われている。

収録曲もこの頃のJMを代表する楽曲が収められており、三管時代JM好きにははずせない1枚ちなみに「Buhaina」というのはイスラム教徒であるブレイキーの洗礼名。

ブレイキーのドラミングは手癖だらけなのになぜか退屈することがない。それはバンドサウンドがものすごくグルーブするからである。この秘密はフットワークの秀逸さにあるのではないだろうかと思っている。

ジャズドラマーが伝統的なジャズを演奏するときはフェザリングといってバスドラムを四分音符でコツンコツンとこつく奏法がある。以前トニー・ウイリアムスのステージ映像を見たときバスドラムのフットペダルがぶらぶらコツコツとバスドラムを鳴らしている。ジャズドラムの革新者といわれるトニー・ウイリアムスもトニーは基本どおりフェザリングをしっかりやっているのである。

このときは音としてツブを出すのではなく「鳴っているのだろうか?」というフィーリングにしなければいけない。どんなにテンポが速くても遅くてもこれをするのが基本である。フェザリングで四分音符のパルスを出した上でバックビートでハイハットを鳴らしグルーブを増幅すのである。

ブレイキーのドラミングはフェザリングが徹底しており、よーく聴くとバスドラムが「ゴンゴンゴン…」と鳴っているのである。空気が四分音符のパルスで揺れているのである。ドラムソロでは耳を澄ませば聴こえるのだが、通常ではよほど注意して聴かないと聴こえない。
そこへバックビートのハイハットが加わるのでアップテンポな曲では疾走感が重なり、そしてバラッドではリズムがキュッとしまるのである。

ブレイキーの首尾貫徹したドラミングはいくらマンネリといわれようが、フロント陣が変わろうとも鉄の掟である「バンドをグルーブさせること」を崩さないがゆえに、時代が移って電化楽器が入ろうとも誰がメンバーになろうともJMはJMのサウンドになるのである。


Buhainas Delight

【関連記事】アートブレイキー
■Ugetsu ~日本の風景
■Like Someone in Love ~チュニジアの夜の裏側

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

ベートーベン:悲愴・月光・熱情 グレン・グールド ~グールドの弾く三大ソナタ

ベートーベン:悲愴・月光・熱情
グレン・グールド


やはり年初はピアノものが良い。ということで今年の正月はピアノ作品ばかり聴いていた。ピアノ作品はジャズやクラシックなどいろいろあるのだが特にヘビーローテーションだったのが舘野泉が弾くシベリウスのピアノ小品集グリーグの抒情小曲集、そしてグレン・グールドの弾くベートーベンピアノソナタであった。

グールドは以前記事にて取り上げたように「とても変わった人」である。椅子の高さが365mmと極端に低かったり、真夏なのに指や腕のコンディションを最良にするためとのことで分厚いコートを羽織ったりと、彼に関するエピソードは山のようにある。

中でも彼の個性を位置づける決定的なこととは「楽譜を守らないこと」であった。クラシック奏者であれば作曲者の意図に沿って表情記号など設計されたとおりに演奏するのが普通なのだが、グールドの場合は「自分が信じるがままに音楽を弾く」のである。

さすがに楽譜にない音を勝手に付け足したりはしないのだが、テンポを変えたり和音をアルペジオにしてみたりと、圧倒的な楽器コントロール力をもって他人の楽曲に自分をねじ込んでゆくのである。なので彼の演奏は一部のクラシックファンから猛烈な賞賛を得る一方で、他方では「邪道」と嫌われ常に賛否両論がつきまとうのである。

本作はベートーベンのピアノソナタの中でも超有名曲「悲愴」、「月光」、「熱情」のいわゆる「三大ソナタ」が収録されている。あまりベートーベンについては良く知らないのだがグールドが弾くベートーベンには強く惹かれるものがあるのだ。

これはグールドは作曲者の設計図どおりにすることよりも、作曲者の楽曲を題材に音楽を創造することに主眼をおいて演奏をしているからなのだろう。その証左としてメロディーの緩急コントロールは龍が中を自由自在に舞うがごとく、非常にスリリングで爽快感あふれるものである。個性の塊のような演奏なのだが、そこに非常に音楽を感じるのである。


ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情


【関連記事】グールド・ピアノ・舘野泉
■Beethoven Piano Sonatas Nos. 30-32 グレン・グールド ~ベートーベンを全身全霊をかけて弾くグールド
■バッハ平均律クラヴィーア曲集1&2 グレン・グールド(P) ~構造体としての音楽の美しさ
■グールド・プレイズ・スクリャービン&シベリウス ピアノ:グレン・グールド ~現代によみがえるグールドスピリッツ
■ブラームス:4つのバラード、2つのラプソディ、間奏曲集 グレン・グールド(P) ~箱の音、弦の音、グールド晩年のブラームス名盤
■ブラームス:間奏曲集 ~甘く美しいグールドの1枚
■グリーグ 抒情小曲集 舘野泉(P) ~ピアノが奏でる何とも可憐な楽曲たち
■シベリウス:ピアノ小品集 舘野泉(P) ~簡素で可憐なシベリウスの作品集。

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

ウィスパー・ノット キース・ジャレット ~キースを語る上での重要なライブ名盤

ウィスパー・ノット
キース・ジャレット


伝説の「ケルンコンサート」や「スタンダーズ」などキース・ジャレットのライブアルバムでは名盤といわれるものが多いのだが、数あるライブ作品の中でも特に重要なのが本作ではないだろうか。

以前本ブログにても取り上げたのだがキースはコンサート中に突然倒れステージを去った後に慢性疲労症候群という難病にかかってしまった。このため丸2年を闘病生活を送ることとなり、外出はおろか人と会話する体力もなくピアノの前に座ることすら困難であったという。

長く絶望的で孤独な闘病生活ののち復帰作としてリリースされたのが以前記事にて取り上げた「The Melody At Night, With You」というアルバムであった。これはキースの自宅にて収録されたソロ作品で、ピアノプレイの美しさや音色のやさしさなどで大変人気の高い1枚として名盤となっている。本作は「The Melody At Night, With You」についでリリースされた復帰後のキースの作品。病気を克服した彼が始めて観客の前で行ったライブ録音なのである。

前作が「ピアノを弾く喜び」であるのに対し本作は「観客に自分たちのプレイを聴いてもらうよろこび」である。選曲もファンの期待を汲んだジャズのスタンダードナンバーからのチョイス。演奏の内容も非常にエネルギッシュで「人前で演ってナンボ」というのが観客の声援とともにこちらに伝わってくるのである。

サポートメンバーはキースの気心が知れるメンバー。孤高のベーシスト、ゲイリー・ピーコック、そしてドラムはジャック・デジョネット。デジョネットは自身もピアノをプレイできるということもありピアノを良く知るドラマーである。シンバルワークをはじめ、ひとつひとつの音色が非常にきれいである。

以前は店頭流通在庫を見かけることが多かったのだが、いつの間にかなかなか店頭では見かけない作品となった。これほど重要な作品であるのにも関わらず入手が困難になりかけているのは残念な話である。


ウィスパー・ノット


【関連項目】キース・ジャレット
■The Melody At Night, With You キース・ジャレット ~涙があふれるほどの美しいメロディーの便り
■ザ・ケルン・コンサート キース・ジャレット ~奇跡の1枚
■My Song キース・ジャレット ~透き通るようなメロディーの名盤
■バッハ:ゴルトベルク変奏曲 キース・ジャレット ~キースのクラシック作品にしてクラシックの名盤
■TRISPACE TRISPACE ~名古屋ジャズ期待の若手ピアニスト。

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

テーマ:本日のCD・レコード - ジャンル:音楽

 | ホーム | 

FC2Ad

プロフィール

わんx3

Author:わんx3
わんわんわんの名盤探索へようこそ!世の中の大名盤はもちろんのこと隠れ名盤も紹介いたします。

興味があったら即購入できるようAmazonのリンクも貼り付けておきました。

FC2 Blog Ranking

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (0)
■クラシック 未分類 (77)
クラシックピアノ (37)
器楽曲 (7)
クラシック 吹奏楽 (2)
■ジャズ 未分類 (257)
ジャズピアノ (63)
ジャズトランペット (11)
ジャズサックス (38)
ジャズギター (15)
ジャズボーカル (43)
ジャズドラム (16)
ジャズベース (10)
ジャズその他 (12)
ビッグバンド (18)
コンテンポラリー (21)
ラテンなど (10)
■ポップス 未分類 (43)
ファンク・ソウルR&B (17)
ロック (5)
Jポップ (13)
■その他身辺連絡など (31)
練習台自作 (16)

RSSリンクの表示

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
音楽
2657位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
245位
アクセスランキングを見る>>

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。