わんわんわんの名盤探索

わんわんわんがオススメする名盤

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Crazy and Mixed Up「邦題:枯葉」 サラ・ヴォーン ~入門者から上級者まで幅広く末永く愛される1枚

Crazy and Mixed Up「邦題:枯葉」
サラ・ヴォーン


これは22世紀へ語り継がれるべき名盤である。JAZZ名盤をとりあげた書籍ならば必ず掲載されている1枚だ。レコード会社から「好きにしていいよ」とゲタを預けられてサラ自身がジャケット、選曲、収録メンバー、何からなにまで自分でプロデュースした作品。収録曲はよくありがちな有名スターンダードなのだが、サラの手にかかればマジックが起こる。セールス的にも大成功を収めたという(ある意味レコード会社の目論見どおり?)。

この中から1曲をチョイスするのは難しく、どの曲もすばらしく「捨て曲無し!」と堂々と胸を張っていえる。あえて言うならば邦題のタイトルチューンとなっている枯葉である。「The au~tumn lea~ves~」などとおなじみのメロディーは出てこない。サラは超アップテンポでメロディーを歌わずにスキャットによるアドリブソロで押し切る。ギターの名手ジョー・パス、サドメルでおなじみの名手ローランド・ハナ(P)も切れ味抜群だ。

サラをはじめ全員がテクニック的にも表現的にも非の打ち所がないくらいすばらしい。何度聴き込んでも色あせることがなく、いったん再生したらいつの間にか1枚が聴き終わっているほど魔的である。手に入れれば一生モノの付き合いとなること請け合いの1枚だ。

曲目リスト
1. I Didn't Know What Time It Was
2. That's All
3. Autumn Leaves
4. Love Dance
5. The Island
6. Seasons
7. In Love In Vain
8. You Are Too Beautiful

Crazy and Mixed Up
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シノーラ ジョン・スコフィールド ~初期ジョンスコの傑作ライブ

シノーラ
ジョン・スコフィールド


ジョン・スコフィールドがミュンヘンにて行ったライブアルバム。初期の彼の作品ではこれがベスト盤だというひとも多い。ギタートリオという編成でサポートメンバーはスティーブ・スワロー(EB)、通好みのドラマーであるアダム・ナスバウム(Dr)。

スティーブ・スワローはエレキベースをピックで弾いているのにもかかわらず、ものすごくブリブリとスイングしてバンドを引っ張ってゆく。乾いたシンバルレガートを前へ前へとくりだすアダム・ナスバウムととても相性が良い。

ジョン・スコフィールドのギターがそこへ合流し、ウネウネと爆発する。しかし激しいロックの要素を持ち合わせながら、ものすごく繊細なピッキングで相当音色やダイナミクスに気を使っているのがわかる。特にバラードにおいての気が狂いそうな抑制されたトーンは、ピッキングのタッチで全てをコントロールしている。

曲目リスト
1. Why’d You Do It
2. Yawn
3. Dr.Jackle
4. Jean The Bean
5. Rags To Riches
6. Shinola

シノーラ[紙ジャケット仕様/限定生産]

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ベイシー・イン・ロンドン カウント・ベイシー・オーケストラ ~不動の名盤

ベイシー・イン・ロンドン
カウント・ベイシー・オーケストラ


ビッグバンドは「ベイシーに始まりベイシーに終わる」といわれている。名古屋JAZZの巨匠もりけんさん(森剣治氏)もそのように語る。ベイシーバンドの中でももっとも知名度が高いのが本作である。これをまだお持ちで無い人は購入すべし1枚である。ビッグバンド必須のJumpin' At The Woodside やShiny Stockings 、One O'Clock Jump やCorner Pocket などの名曲が盛りだくさんだ。

ベイシーバンドは猛烈にフレディー・グリーンのギターがスイングする。彼のギターはウォーキングベースならぬ「ウォーキングギター」とでも呼ぶのがふさわしいだろうか。
9thや13thや11thなどのテンションノートがメロディックにコード進行とからめてウォーキングしているのである。
「ウォーキングギター」と呼ばれる独特のギタースタイルは非ビッグバンド出身のギタリストからすればとっつきにくく、あまり解明されていないように思える。だが、ベイシーのリズム隊はベース+ギターがハーモニーでビートのパルスを出していると考えればよいのだと思う。

やっぱりものすごくスイングするリズムと「キューッ!」と良く鳴るブラスは聞いていて気持ちが良いものだ。ベイシーバンド名物のソニーペイン(Dr)の超絶スティック投げ芸もあったのだろう(彼はスティック投げ芸が本当にすばらしい)。

ちなみに時々的を得た瞬間にポロンポロンとピアノを鳴らすカウント・ベイシーは高速ストライドピアノを華麗にこなすものすごくテクニシャンである。

曲目リスト
1. Jumpin' At The Woodside
2. Shiny Stockings
3. How High The Moon
4. Nails
5. Flute Juice
6. One O'Clock Jump
7. Alright, Okay You Win
8. Roll 'Em Pete
9. The Comeback
10. Blues Backstage
11. Corner Pocket
12. Blee Blop Blues
13. Yesterdays
14. Untitled
15. Sixteen Men Swinging
16. Plymouth Rock


In London
l=msn

■ソニー・ペインのスティック投げはどちらに入っていたのだろう、という心配は杞憂だ。両方入手すべし!

Classic Drum Solos and Drum Battles Vol. 2 [DVD] [Import]
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Classic Drum Solos and Drum Battles featuring a commentary track by Peter Erskine [DVD] [Import]

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ザ・モーメント ケニー・バロン ~ミュージシャンズミュージシャンことケニー・バロンの傑作

ザ・モーメント
ケニー・バロン


スタン・ゲッツ(Ts)の晩年をサポートした名手だ。プロのピアニストで彼のことを好きな人はかなり多く、ミュージシャンズミュージシャンといわれている。サポートメンバーも職人ぞろいでルーファス・リード(B)、ビクター・ルイス(Dr)と言う面々。これで悪いわけが無い。

スティング作のFRAGILEを名演奏にてカバーしたことで一層このアルバムの価値が上がったといえよう。この曲をチョイスしたセンスのよさがうかがえる。これを聴くたびに「なんだろう、この切ない感じは」と思わざるを得ない。ときどきボーンと入るルーファス・リードのLowDの音がかっこいい。

優雅に歌うケニー・バロンのソロピアノ曲SILENT RAIN もよい。

曲目リスト
1. MINORITY
2. FRAGILE
3. SILENT RAIN
4. I'M CONFESSIN'(THAT I LOVE YOU)
5. JACKIE-ING
6. TEAR DROP
7. THE MOMENT
8. SOUL EYES
9. HOW DEEP IS THE OCEAN

ザ・モーメント

■こちらが本家のFRAGILE が収められたスティングの作品

Nothing Like the Sun

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ラヴェル:ダフニスとクロエ 指揮:チェリダビッケ ~本当に美しいものを目の当たりにすると人は動けなくなる

ラヴェル:ダフニスとクロエ
指揮:チェリダビッケ


人は本当に美しいものを目の当たりにすると動けなくなるという。あまりにも感動しすぎるために判断停止の状態に陥るそうだ。前回も申し上げたとおりわんわんわんはラヴェルが大好きである。本作はチェリダビッケがラヴェルに対する思いが「筋が凍るほどの美しさ」となってこちらに伝わってくる1枚である。

チェリダビッケはスコアに記されたテンポは守らない。会場の広さや音響的な響きにあわせて音が消える瞬間まで計算しつくしてテンポや楽器間のバランスを設定するのである。信じるのは自分の耳と想像力なのであり、ある意味作曲者よりもイメージに忠実で音楽というか人間の感動に正直なのだろう。

本作はまるで繊細な光の陰影を再現した油絵のような緻密で美しい世界が繰り広げられているのだ。一つ一つの楽器の響きを音が消え入る瞬間まで大切にするチェリダビッケが指揮することによってそれが明確になっている。

特に1曲目のダフニスとクロエでは鳥の鳴き声のようなフルートに与えられた生々しいまでの演奏指示、「ブワッ」と膨らむ弦楽器の音色と分厚いハーモニーの演奏指示、木管楽器と弦楽器のバランス、そして打楽器に与えられた気が狂いそうなほどの緻密な音色と音量コントロールの演奏指示。どれをとっても演奏家でありプロデューサーである指揮者チェリダビッケの個性が随所に感じられる演奏だ。

心の中に風が吹き抜けてゆくような爽快感は何なんだろう。そして自然と涙腺がゆるむこの感覚はなんなんだろう。この演奏を生で聞けた人はどれだけ幸せだったことだろう。


ラヴェル:ダフニスとクロエ

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ザ・ケルン・コンサート キース・ジャレット ~奇跡の1枚

ザ・ケルン・コンサート
キース・ジャレット

ジャズの名盤本をひも解けば必ず採り上げられている歴史的名盤。あらかじめ準備したものは何もなく完全即興のソロピアノライブを収録した奇跡の1枚である。本作収録時はあいにくキースの体調が優れておらず本来ならばキャンセルとなるはずだったのが、キース本人がこのとき「何かを感じた」ので敢行されたコンサートである。

彼のハーモニーは複雑なテンションノートを極力廃したトライアドを中心としたものでシンプルな美しさがあふれる。だからこそピアノのタッチやつむぎだすメロディーにごまかしは効かないのである。録音が良いからなおさらごまかしは効かないのである。

1曲目はメロディーの宝庫、2曲目のリズミックでポップな美しい曲、3曲目から4曲目とつづく苦悩の末に生まれた究極のメロディー美、それは息を殺して聴き入る美しさとでも言えよう。

一聴した後になぜか涙腺が緩み収録された観客の完成と拍手に気持ちを重ねる自分を発見する。これを奇跡の1枚と呼ばずして何と呼んだらよいのだろうか。

ザ・ケルン・コンサート [SHM-CD]


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エラスティック ジョシュア・レッドマン ~不思議と何回でも聴けてしまう1枚

エラスティック
ジョシュア・レッドマン


本作はがっつりと向き合って聞き込むわけでもないが不思議と何度も聴いてしまうアルバムだ。
程よくファンクとジャズがミックスされた独特のアルバムの世界観があるからだ。

彼の父親はそう、パット・メセニーやチャーリー・ヘイデンとの共演で有名なデューイ・レッドマンである。
ハーバード大学で社会学を学んだ後ジャズミュージシャンとなった異例の経歴の持ち主。

ジョシュア・レッドマン(Ts,Ss)とサム・ヤエル(Key,Ep,Org)とブライアン・ブレイド(Dr)の3人だけでここまで分厚くスリリングな音楽が出来てしまうのはすごい。ブライアン・ブレイドのタイトなドラミングが冴える。

曲目リスト
1.Molten Soul
2.Jazz Crimes
3.The Long Way Home
4.Oumou
5.Still Pushin' That Rock
6.Can a Good Thing Last Forever
7.Boogielastic
8.Unknowing
9.News from the Front
10.Letting Go
11.The Birthday Song

エラスティック

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Empyrean Isles ハービー・ハンコック ~新時代ジャズの幕開け

Empyrean Isles
ハービー・ハンコック


本作はマイルス・デイビス黄金クインテット期のリズムセクションにフレディー・ハバード(Tp,Flu)が参加したワンホーン作品。クラブジャズの方々にも人気のある名曲カンタロープアイランドが収録されているアルバムとして有名である。

ここでは完全にハードバップやファンキージャスとは別物の世界が展開されている。よりモーダルなメロディーとリズミックな展開に重きをおき、これまでのスタイルに区切りをつける形で登場した「新主流派」とよばれるジャズである。

やっぱり白眉なのはカンタロープアイランドである。印象的なピアノのFm7を基調としたリフ。Fm7→D♭7→Dmという変則的なブルース進行がなんともかっこいい。フレディー・ハバードのとんがったプレイがとても素敵だ。ジャケットもアーティスティックで美しい。

曲目リスト
1. One Finger Snap
2. Ololoqui Valley
3. Cantaloupe Island
4. The Egg

Empyrean Isles

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To The Limit FAKiE ~知っているとちょっと差が出るギターとボーカルのデュオ

To The Limit
FAKiE


記事を振り返るのにジャンル分けを行っているのだが、これは一体どのジャンルに属するのだろうか。入手したときはジャズ・ボーカルのコーナーに陳列してあったので、一応「ジャズ ボーカル」のカテゴリーに分類することにする。

フェイキーはクラッシックギターとボーカルの日本人ユニット。FAKiEのことをわんわんわんはフェイキーと読んでいる。間違っていたら指摘されたし。
ギターはジャズのコーナーに並べてあるのだがプレイスタイルはジャズというよりもややロックよりだ。同じような編成であるフライド・プライドの横田氏などに比べるとプレイが荒削りであることは否めないものの、時にはギターらしく時にはピアノのようにとギターを弾きまくるテクニックはすさまじいといわざるを得ない。
3オクターブもの声域をもつ女性ボーカルは声区の切り替えもスムーズでかなりのテクニシャンだ。特にヘッドボイスのハイトーンに芯がある。

採り上げるジャンルも幅広く山下達郎のRide on Timeなどいろいろな曲を演奏している。録音も良いのでシンプルな編成だからこそ彼らの魅力がストレートにでてくる。彼らのライブはきっとものすごく楽しいに違いないだろう。

曲目リスト
1. Aquarius
2. Glow
3. (They Long to Be) Close to You
4. To the Limit
5. 言の葉
6. The Way We Were
7. Ride on Time
8. Piece of Life
9. 航海
10. あの雲の下まで
11. That’s the Way It Goes
12. The Stranger
13. 赤とんぼ

To The Limit

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Out of the Storm エド・シグペン ~アイデアとユーモアーとテクニックが冴える1枚

Out of the Storm
エド・シグペン


いつのまにかコレクターズアイテムとなってしまった名盤である。オスカー・ピータソン・トリオのドラマー、ブラシの名手エド・シグペンのユーモアーあふれる作品。

1曲目のカリプソ風の Cielito Lindoから楽しさ全開である。ドラムヘッドを押さえてタイコのピッチを変えてメロディーを演奏しているのだ。参加メンバーも愉快なオヤジ、クラーク・テリー(Tp,Flu)、ケニー・バレル(Gt)、ロン・カーター(B)、ハービー・ハンコック(P)など文句なしだ。5曲目のElbow & Mouthでクラーク・テリーが演奏する「マウスピースソロ」でクラーク・テリーのユーモアーがはっちゃける。

エド・シグペンのアイデアとユーモアーとテクニックが冴える本作は、入手困難となってしまった今ではなかなかお目にかかれない1枚だ。

曲目リスト
1. Cielito Lindo
2. Cloud Break (Up Blues)
3. Out Of The Storm
4. Harper (From The Film 'Harper')
5. Elbow & Mouth
6. Heritage
7. Struttin' With Some Barbecue

アウト・オブ・ザ・ストーム(紙ジャケット仕様)

■「The Sound Of Brushes」
エド・シグペンによるブラシワークの教則ビデオ。ロン・カーター(B)とトニー・プーロン(Gt)によるデモ演奏も見ものだ。

The Sound of Brushes

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Live ダニー・ハサウェイ ~もっていなければ大問題なこと請け合いの1枚

Live
ダニー・ハサウェイ

わんわんわんはそこに名盤がある限り何でも聴きます。音楽をジャンル分けするのがばかばかしいと思うのだが、あとで記事を振り返るときに検索しやすいようにするため仕方なしにカテゴライズしているようなものだ。
それはさておき、これも説明不要のハリウッドとニューヨークでのライブを収録したダニー・ハサウェイの大名盤であります。彼の最高傑作と呼んでも問題はありません。

マービン・ゲイのWhat's Goin' On やハサウェイのThe Ghetto 、キャロル・キングのYou've Got A Friend 、ジョン・レノンのJealous Guy などなど、歌唱力抜群の彼による名曲・名カバー曲が一杯詰まった名作です。とくにYou've Got A Friendは涙モノ。絶叫するオーディエンスと一体となる会場に自分がいるような錯覚になるくらいです。

参加メンバーもフィル・アップチャーチ、コーネル・デュプリーとマイク・ハワードによるブルージーな泣きのギター、アース・ウインド・アンド・ファイヤーでの活躍が有名なフレッド・ホワイト(Dr)、ジェームス・ジェマーソン直系のベースプレイがさえるウイリー・ウィークスなどなどコレマタ渋い。

もしお持ちでないのならば、これは大問題なこと請け合いの1枚である。

曲目リスト
1. What's Goin' On
2. The Ghetto
3. Hey Girl
4. You've Got A Friend
5. Little Ghetto Boy
6. We're Still Friends
7. Jealous Guy
8. Voices Inside (Everything Is Everything)

Live

■同じ時期のライブで未収録曲を集めた「These Songs for You Live」
コレマタ泣ける1枚である。しっとり歌い上げるSomeday We'll All Be Freeや、A Song For Youなど名曲ぞろいだ。先に紹介した「Live」と内容が数曲だけかぶっているのだが、「Live」のほうも何回聴いても飽きないので全く問題ない。これも持っていて損はない1枚だ。

These Songs for You Live

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Time Out ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテット ~歴史的大名盤「テイクファイブ」入り

Time Out
ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテット


本作はここで語らずともその価値が十分に知れ渡っている歴史的名盤。ジャケットの一角に「TAKE FIVE」とデザインされている通り、超有名曲のテイクファイブが入っていることでも有名だ。

1曲目の「トルコ風ブルー・ロンド」は9/8拍子と4/4拍子を行き来する名曲である。最近でこそ変拍子ジャズはポピュラーなものになってきたのだが、ここまで自然に変拍子を変拍子と感じさせないブルーベックの作曲のセンスはさすがだ。

アルトのポール・デスモンドの名演奏でも知られる本作は、ピッチの取り方、サブトーンの使い方、音尻の処理など聴けばきくほど彼のエアリーで繊細なプレイがさえる。軽いのに軽くなくしっかりスイングする彼のアルトには「神は細部に宿る」という言葉が本当にふさわしい。

ジャズドラムの巨匠ジョー・モレロの参加も忘れてはならない。彼はドラム・パーカッション界の教則本「スティックコントロール」の著者であるジョージ・ローレンス・ストーンに師事をした後、グラッドストーン・テクニックで有名なビリー・グラッドストーンにも師事したことがあるテクニシャンである。厳格なクラシック・パーカッションの素養があるのだ。
彼が生み出すシンバルレガートやタイコの音、ブラシであってもドラムセットを鳴らしきるその音のきれいさは、完璧に鍛え上げられたリバウンドを最大限に生かすグラッドストーンテクニックからきているのだろう。

ドラムの叩き方で「モーラーテクニック」というのもある。しばしばドラム界ではグラッドストーン派VSモーラー派で「どちらが優れているか」といった論争が持ち上がるのだが、腕の運び方や筋肉の使い方が少し違うだけで、どちらも極めれば最終目的である「スティックの描く軌道は負荷の少ない自然な動き=美しい音」になることには変わりがないのだ。

曲目リスト
1. Blue Rondo ? la Turk
2. Strange Meadow Lark
3. Take Five
4. Three To Get Ready
5. Kathy's Waltz
6. Everybody's Jumpin'
7. Pick Up Sticks


タイム・アウト

■打楽器奏者が避けて通れぬ教則本「スティックコントロール」
打楽器奏者がこれを練習するのとしないのとでは、イチローと草野球好きの野球少年くらいの差が出てしまうのである。
フレディ・グルーバー氏と並んでモーラー奏法の伝道師であるジム・チェイピン氏は、この本で練習するときは「Stop At The Top!」と熱弁する。ジム・チェイピンもまたジョージ・ローレンス・ストーンに師事したことがあり、この本の使い方としてストーン氏からそのように習ったそうだ。モーラー奏法とグラッドストーン奏法の最終目的は「無理の無い動き=美しい自然な音」であり、結局は一緒なのだ。

Stick Control for the Snare Drummer

■ジョー・モレロの書いた教則本「Master Studies」
「スティックコントロール」の内容をジョー・モレロがさらに発展させたのがこちら。もちろんこれを紐解く前に「スティックコントロール」の習得は必須の高度な内容である。

Master Studies

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Study in Brown クリフォード・ブラウン & マックス・ローチ ~歴史的大名盤

Study in Brown
クリフォード・ブラウン & マックス・ローチ


「何故これが出てこぬのだ!」とお思いの方、お待たせしました。
名トランペッターであるクリフォード・ブラウンと名ドラマーであるマックス・ローチが双頭リーダーである伝説のコンボが残した代表作であります。このコンボは54年に結成されてから56年にブラウンが自動車事故で急死するまでのわずか2年間しか活動期間が無かったにも関わらず、50年代ハードバップジャズを代表するグループでありました。
本作はしょっぱなのチェロキーから最後のAトレインまで一気に聴き通せてしまう、説明不要の歴史的大名盤であります。

鋭い刃物のような音からやさしく語りかけるふんわりした音まで表現できる音色の幅広さ、正確なタンギングとリップスラー。非常に長く美しいロングトーンと、見事な構成力のアドリブソロ、どれをとってもケチのつけようが無いほどのテクニックと歌心はジャズトランペットに関わる人は避けて通ることができないのがこのブラウニーことクリフォード・ブラウンであります。このときのブラウニーは23歳。大卒でぴかぴかの新入社員であります。

そしてロックやジャズなどの全てのジャンルの垣根をこえて、ドラマーを目指すモノならば知っていなければならないのがマックス・ローチである。
チャーリー・パーカーのビバップ時代から超高速シンバルレガートからメロウで柔らかなブラッシュワークを完璧にこなす「ファーストコールドラマー」なのである。キレイな音色での安定したタイムキープとフォーウエイコーディネーション、構成力豊かでメロディアスでメカニカルなドラムソロ、卓越した手足のコンビネーション、どれをとっても後世のドラム界に与えた影響はとても大きい。
後にマイルス・デイビスのドラマーとなるトニー・ウイリアムスは子供の頃、このアルバムのマックス・ローチを完コピし終わった瞬間、夜も寝られないほ非常に興奮したらしい(子供の頃にマックス・ローチをコピーしていたとはさすがトニーである)。ジャズに限らずレッド・ツェッペリンのドラマーであるジョン・ボーナムなどロック世代にも大きな影響を与えている。

演奏内容のすばらしさもさることながら収録曲も偏りが無く非常に聴きやすいのも歴史的大名盤たらしめている所以である。ラストのAトレインでのローチの絶妙なブラッシュワークとバンドサウンドによる機関車の演出が心憎い。

曲目リスト
1. Cherokee
2. Jacqui
3. Swingin'
4. Lands End
5. George's Dilemma
6. Sandu
7. Gerkin For Perkin
8. If I Love Again
9. Take The A Train


Study in Brown

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ザ・スインガーズ! ランバート・ヘンドリックス&ロス ~ヴォーカリーズの傑作盤

ザ・スインガーズ!
ランバート・ヘンドリックス&ロス


デイブ・ランバート、ジョン・ヘンドリックス、アニー・ロスによる男女混合の3人によるヴォーカリーズ。
ジャズのスタンダード曲やアドリブパートに歌詞をつけてハモッてしまうという職人芸である。
サポートメンバーもズート・シムズ(Ts)、ジム・ホール(Gt)、トミー・フラナガン(P)、エルビン・ジョーンズ(Dr)などの名手ぞろい。

1曲目のアップテンポチューン、エアジンでの「ろれつまわし」は見事という一言に尽きる。ベイシー楽団リズムギターの名手グランド・グリーンのギターが猛烈にスイングしている。エルビン・ジョーンズがアドリブパートのハーモニーに反応して時々スパンと変化球を出すのが面白い。

曲目リスト
1. エアジン
2. ベイブス・ブルース
3. ダーク・クラウド
4. ジャッキー
5. スインギン・ティル・ザ・ガールズ・カム・ホーム
6. フォア
7. リトル・ナイルス
8. ホエア
9. ナウズ・ザ・タイム
10. ラヴ・メイクス・ザ・ワールド・ゴー・ラウンド
11. クラップ・ハンズ・ヒア・カムズ・チャーリー
12. ドゥードリン
13. ザ・スピリット・フィール


ザ・スインガーズ!

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流氷 日野元彦カルテット+1 ~日野元彦の名作

流氷
日野元彦カルテット+1

今は亡き名ドラマー日野元彦氏が自らのバンドを率いて「流氷」北海道は根室市民会館で行ったライブを収録した名作である。

若き日の渡辺香津美(Gt)、今は日本ジャズベース界の重鎮である井野信義(B)、清水靖彦(Ts,Ss)のオリジナルメンバーに山口真文(Ts)を加えたピアノレス編成。

1曲目流氷での日野元彦氏のドラムソロが圧巻。日野氏が尊敬してやまないジャズドラムの革命児エルビン・ジョーンズがよく行う「不定分割法」というタイムの取り方に基づく演奏のドラムソロの影響を垣間見ることが出来る。

「不定分割法」とは、日野元彦氏いわく「何の手がかりも無い状態、すなわち、拍を刻む楽器、あるいは音声無しで、ほぼ正確に何小節間かを感じ取ることが出来る状態」だそうである。「与えられた何小説間かのソロ、あるいはフィルインを、何連譜、何分音符などといいた定まった数で白を分割する、といった方法ではなく、その間を1つのまとまった時間として」とらえる手法である。
「不定分割法」による演奏は譜面に起こすことは無意味に等しく、一聴するとデタラメに聴こえたとしても、しっかりと小節のケツがあうといった離れ業なのである。

美しい山口真文のテナーがフューチャーされた2曲目のバラッド「ソウルトレイン」。これだけでも聴く価値は大きい。
今では入手不可能となってしまった惜しい1枚である。

曲目リスト
1. 流氷
2. ソウルトレイン
3. リオ・ローマ
4. ミルキー・シェード
5. ブニュー・ムーン

流氷

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もどりました

わんわんわんでございます。
ただ今出張からもどってまいりました。
あ~しんどかった。
今日はもう寝ますね。

出張に行ってきますね

お知らせ
こんばんわ、わんわんわんでございます。
今週は東京へ出張ですのでブログの更新が少しだけとまりますのでご了承くださいね。

We Get Requests オスカー・ピーターソン・トリオ ~これはやっぱり基本でしょう

We Get Requests
オスカー・ピーターソン・トリオ

本ブログにて採り上げるまでも無いほどの大名盤なのだが名盤である限り採り上げないわけにはいかない。
オスカー・ピーターソンで検索するとマズはじめに出てくるのが本作であるくらいの大名盤なのである。
やっぱりオスカー・ピーターソンはこのレイ・ブラウン(B)エド・シグペン(Dr)による「黄金トリオ」を抑えないことには始まらない。本作はタイトルの通りお客のリクエストに応えて演奏された作品である。これらの曲目をリクエストしたお客もなかなかのセンスの持ち主であるとおもう。

この黄金トリオを聴くたびにベースラインの作り方、ピッチの正確さ、リズムのキレ、1拍の長さ、どれをとってもレイ・ブラウンはやっぱり上手いなぁと感心してしまう。エド・シグペンのドラムもステディにグルーブするブラシュワークやセンスのあるフレーズ、テクニカルな手足のコンビネーションなどなど聴きどころ満載である。

ピーターソンのピアノを聴くとどうしてもカラダが動いてしまうのはわんわんわんだけではないはずだ。

曲目リスト
1. コルコヴァード
2. 酒とバラの日々
3. マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ
4. ピープル
5. ジョーンズ嬢に会ったかい?
6. ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー
7. イパネマの娘
8. D.& E.
9. タイム・アンド・アゲイン
10. グッドバイJ.D.

We Get Requests


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バラードとブルースの夜 マッコイ・タイナー ~マッコイ・タイナーの3作目

バラードとブルースの夜
マッコイ・タイナー


マッコイ・タイナーというとコルトレーンのバンドのピアニストで、左手のゴキーンという激しいモーダルなタッチがすぐに思い浮かぶ。
しかし本作はマッコイ・タイナーの「別の顔」(こちらがホントの顔かもしれない)を覗かせる1枚である。

タイトルどおりバラードとブルースをスタンダードチューンから選曲し、レックス・ハンプリー(Dr)とスティーブ・デイビス(B)のピアノトリオで非常にリラックスした雰囲気がでている。コルトレーンのバラッドやジョニー・ハートマンとの共演盤のようにオーソドックスなプレイに徹しているので、聴いてるほうもリラックスして聴けるのが本作の最大の魅力だ。

ただスティーブ・デイビスのベースのピッチのずれが気になるのが残念。ウッドベースは自分の音が十分に聞こえないと上手く弾けないことがある。収録風景を見ていてもウッドベースに音響的な配慮がされているとは考えにくく、これはおそらくスタジオの環境が良くなかったのだろう。

曲目リスト
1. サテン・ドール
2. ウィル・ビー・トゥゲザー・アゲイン
3. ラウンド・ミッドナイト
4. フォー・ヘヴンズ・セイク
5. スター・アイズ
6. ブルー・モンク
7. グルーヴ・ワルツ
8. 酒とバラの日々

バラードとブルースの夜

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美しい星 赤い鳥 ~翼をください

美しい星
赤い鳥


入手困難な盤が続いて申し訳ないのだが、本ブログはそこに名盤がある限り紹介をせねばならない。本作は1970年代に活躍したフォークグループの「赤い鳥」の名曲ぞろいの決定盤である。

現在では合唱曲として教育現場でよくうたわれる「翼をください」は彼らの曲である。ブラスセクションとドラムとベースのぽんぽん弾む感じがポップな印象で軽快だ。アルバム全体とおしてカーペンターズなどのあのへんのサウンドを思い起こさせるような、なんともおしゃれなサウンドである。

現在は廃盤となり、中古市場を丹念に探すしかない。
ちなみに村上“ポンタ”秀一(Dr)は赤い鳥にてプロデビューしたのである。

曲目リスト
1. アイ・ウド・ギヴ・ユー・エニシング(翼を下さい)
2. 美しい星
3. まつり
4. イット・マイト・アズ・ウェル・ステイ・マンデイ(フロム・ナウ・オン)
5. 花吹雪
6. 指きりげんまん
7. 赤い屋根の家
8. みちくさ
9. せみしぐれ
10. 走馬燈
11. どこに帰ろう
12. 窓に明りがともる時

美しい星

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Mel Torme At The Red Hill メル・トーメ ~半端ないスキャットの超絶テクニック

Mel Torme At The Red Hill
メル・トーメ


男性ジャズボーカリストきってのテクニシャンで実力者のメル・トーメ。
彼の声は非常に滑らかで緩急自在で自由自在。「ベルベットボイス」と評されることが多いのもうなずける。

本作はライブ盤で彼のエンターテイメント性が表面に出た名盤である。お客をとにかく楽しませたいと自分のもつテクニックをすみからすみまで駆使している。非常に多彩なビブラートのかけ方、音尻の処理、ブルーノートのピッチ感(半音のまたその半音の感覚)、スインギーなタイム感、洒脱なメロディーの崩し方、全てにおいてすばらしい。「ん」と「う」の音節の使い方が抜群にうまい。

なかでも超アップテンポなLove For Saleのスキャットによるソロ。ピックアップ部での粒のそろったスキャットはマシンガンのようだ。ざくっと心を持ってゆかれる。たとえ超アップテンポであっても、この人の歌い方はビートの端から端まで気を緩めることが無いので1拍がとても長いのである。すばらしいリズム感とスイング感の持ち主だ。

Amazonでは2枚が1枚になったツーオンワンのカップリング盤しかない。しかもそれは廃盤扱いだ。
内容の良さにもかかわらずああ残念、今は中古市場をつぶさに探すよりほかはない。

Mel Tormé at the Red Hill/Live at the Maisonette

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KABA UA ~見つけたら即買いの1枚

KABA
UA


UAが古今東西の歌をカバーしたアルバム。どの曲もアレンジがとても秀逸なのだ。場面展開の緩急のつけ方にあわせたリハーモナイズのやりかた、リズムパターンのチョイス、全てが秀逸なのである。歌い手が一癖もフタクセもあるのでアレンジも一ひねりフタひねりしてある。

ピンクレディーの「モンスター」や荒井由美の「きっと言える」、笠置シズ子の「買物ブギ」、「セーラー服と機関銃」、ドロロンえん魔くんの曲である「妖怪にご用心」、戦後歌謡の名曲「蘇州夜曲」などなど、この曲がこのように生まれ変わったという驚きが楽しい。

買物ブギでのUAのうたとアレンジによるカオスっぷりは特に聴いていて楽しい。セーラー服と機関銃はフェンダージャズベースのピック弾きのみのバッキングと歌からはじまり、これがなんともうならせるアレンジだ。
本家のビョークと比較しても遜色が無いほどHyperballadのカバーが非常にはまり役である。

見つけたら即買いの1枚である。

曲目リスト
1. モンスター
2. 夜空の誓い duet with 甲本ヒロト
3. きっと言える
4. 買い物ブギ
5. セーラー服と機関銃
6. Day Dreaming
7. Under The Bridge
8. Paper Bag
9. わたしの赤ちゃん
10. Hyperballad
11. Love Theme From Spartacus
12. 蘇州夜曲
13. No Surprises
14. 妖怪にご用心
15. tiru-ru-shi

KABA

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ホルスト:組曲「惑星」 ~荘厳で壮大な宇宙感

ホルスト:組曲「惑星」、エルガー:威風堂々第1番-第5番
ショルティ


「宇宙とは何なのか?」誰もが一度は考えるであろうこの疑問。あまりにも巨大すぎて人知の及ばない不可触の部分を説明するために神話があった。

20世紀半ばに入ると人類は宇宙へと立ち入るようになった。人類の不可触である部分へ科学の力で徐々に入り込むことが出来るようになると、神話はすこしづつSFへとクロスオーバーするようになった。

本作の組曲惑星は1977年に収録されたという。ちょうどその頃アメリカとソ連が競うように宇宙開発にいそしんだ時代であった。名盤と誉れ高いデュトワ指揮のモントリオール交響楽団による演奏もよいのだが、こちらは隠れ名盤のショルティー指揮のロンドン交響楽団の録音。

1曲目の「火星―戦争の神」からかっこいい。昔から火星が地球に接近すると大戦争が起こるといわれている。作曲者のホルストがこの曲を書いている頃ちょうど第一次世界大戦が始まったという。戦争の神である火星と世界大戦がどことなくリンクしている。

組曲惑星で一番有名なのはやっぱり4曲目の「木星―快楽の神 Jupiter」である。組曲の中でも一番壮大で変化に富んでおり、聴いていて楽しい。某歌手がこれをモチーフに歌を作るのも無理は無い。全曲通じて壮大さがまさに宇宙を表現している。

曲目リスト
1. 組曲≪惑星≫ 作品32 火星-戦争の神
2. 組曲≪惑星≫ 作品32 金星-平和の神
3. 組曲≪惑星≫ 作品32 水星-翼のある使いの神
4. 組曲≪惑星≫ 作品32 木星-快楽の神
5. 組曲≪惑星≫ 作品32 土星-老年の神
6. 組曲≪惑星≫ 作品32 天王星-魔術の神
7. 組曲≪惑星≫ 作品32 海王星-神秘の神
8. 行進曲≪威風堂々≫ 作品39 第1番 ニ長調
9. 行進曲≪威風堂々≫ 作品39 第2番 イ短調
10. 行進曲≪威風堂々≫ 作品39 第3番 ハ短調
11. 行進曲≪威風堂々≫ 作品39 第4番 ト長調
12. 行進曲≪威風堂々≫ 作品39 第5番 ハ長調


ホルスト:組曲「惑星」、エルガー:威風堂々第1番-第5番


決定盤といわれるデュトワ指揮のモントリオール交響楽団による「惑星」。ジャケットが良く似ている。

ホルスト:惑星/エルガー:威風堂々

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ヴォランティアード・スレイヴリー ローランド・カーク ~なんというソウルの特盛り

ヴォランティアード・スレイヴリー
ローランド・カーク


彼は盲目である。だから楽器の持ち替えをするため常に首から数本のサックスや笛をぶら下げている。
ローランドカークはどのジャケットを見てもそのようないでたちである。

自分の欲しい音があったら2~3本同時に首からぶら下げたものを吹く。それでも足りなければ鼻息を使って笛を吹く。それでも足りなければ自分で歌うのである。時には循環呼吸を使って息継ぎなしで延々と演奏をする。それは決して見世物的ではなく自己の音楽的追求から生まれた方法だ。

彼の音楽は「とても濃い」。誤解を恐れずにいってしまうと「聴くものをアホにするくらい濃い」のである。本作は自らのルーツである黒人音楽を貪欲に追求したライブアルバムだ。スティービー・ワンダーのMy Cherie Amourをカバーしているのだが、曲をカバーしているというレベルに収まっていないのが彼らしい。バート・バカラックのI Say a Little Prayerも然りである。

Pファンク集団に受け継がれていそうなこの野生的でエキサイティングな「アホさ」はナンなんだろうか。そしてコルトレーンにささげたコルトレーンメドレーのLush Lifeの美しさはなんなんだろうか。こんな音楽バカをチャールス・ミンガスが放っておくわけがないのもうなづける。

曲目リスト
1. ヴォランティアード・スレイヴリー
2. スピリッツ・アップ・アバヴ
3. マイ・シェリー・アムール
4. サーチ・フォー・ザ・リーズン・ホワイ
5. アイ・セイ・ア・リトル・プレイヤー
6. ローランズ・オープニング・リマークス
7. ワン・トン
8. オヴェーション&ローランズ・リマークス
9. ア・トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーン
10. スリー・フォー・ザ・フェスティヴァル

ヴォランティアード・スレイヴリー

Pファンクの代表盤。超絶テクニックでファンキーですさまじい野生味あふれるアホさでは彼らの右に出るものはいない。あまりにもクソ真面目で超絶でアホな内容は聴く人を選ぶのかもしれない。

Clones of Dr Funkenstein

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笠井紀美子 with ハービー・ハンコック バタフライ ~ハービーファンク時代の隠れ名盤

笠井紀美子 with ハービー・ハンコック
バタフライ

アマゾンをチェックしてみると共演者がハービー・ハンコックではなくシダー・ウォルトンとなっている。
確かに笠井紀美子はシダー・ウォルトンとの共演もあるのだが、本作はハービー・ハンコックとの共演である。

1曲目のI Thout It Was Youがとてつもなくかっこいい。
右から左へG-F-E♭-D-C-B♭-G-B♭-G~と流れてくるエレピがなんともセクシーだ。
タイトなリズムにあわせて歌うポール・ジャクソンのブリブリしたエレキベースもかっこいい。この人のベースラインをよく聞くと、いちいち細かいところにビブラートをわざわざかけているところがすごい。
曲中でハービーはボーコーダーを使ってコーラスを入れている。

曲中で笠井紀美子とハービーのボーコーダーでソロの掛け合いをやっており、ハービーから面白いフレーズが出てくる。
2曲目はTell Me A Bedtime Story の名唱であると思う。スティービー・ワンダーの曲もカバーしている。
ハービー・ハンコックのフアンク時代の隠れ名盤である。

曲目リスト
1. アイ・ソウト・イット・ワズ・ユー
2. テル・ミー・ア・ベッドタイム・ストーリー
3. ヘッド・イン・ザ・クラウズ
4. 処女航海
5. ハーヴェスト・タイム
6. サンライト
7. バタフライ
8. アズ(永遠の誓い)

バタフライ

ちなみにシダー・ウォルトンとの共演はこちらになる。

キミコ・イズ・ヒア

シダー・ウォルトンが笠井紀美子と共演したのはおそらくこれを吹き込んだ前後であろう。
ちなみにこちらは大傑作であるのだが残念ながらもう市場にはでまわって無い。

PIT INN

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Last Date エリック・ドルフィー~「音楽というのは一度発せられると、たちまち空気の中に消え入ってしまう儚いものなのだ」

Last Date
エリック・ドルフィー


エリック・ドルフィー(As Bcl Fl)が死ぬ直前に残した録音。文字通り「Last Date」なのだ。
それにしてもドルフィーはとても不思議なテイストを持った人である。狂ったようなどぎついフレーズを吹いたかと思うと、非常に美しいフレーズも吹く。

ぜひ5曲目のYou Don't Know What Love Isの美しいフルートに耳を傾けていただきたい。狂気の向こう側にある究極の美しさがそこにある。彼が森に入ってフルートで小鳥と会話するという逸話もどうやら嘘ではなさそうだ。

名古屋JAZZのご意見番であるマルチリード奏者の森剣治(As Ts Fl Cl etc 通称もりけんさん)によるとドルフィーの吹くフレーズはでたらめではなくチャーリー・パーカー(As)のフレーズを超高速で吹くとああなるそうだ。

一度もりけんさんに天才阿部薫(As)のことを聞いてみたことがあるのだが、返ってきた言葉は「いくら天才であろうとも人間は死んじゃったらおしまいだ!」と言葉が返ってきたのをふと思い出した。

アルバムの最後に吹き込まれたドルフィーの一言が彼のとても生真面目でストイックな面を象徴している。

曲目リスト
1. エピストロフィー
2. サウス・ストリート・イグジット
3. ザ・マドリグ・スピークス、ザ・パンサー・ウォークス
4. ピポクリストマトリーファズ
5. ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
6. ミス・アン


ラスト・デイト

いつかは採り上げようと思っている名盤。もりけんさん大活躍である。

ココズ・ブルース

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デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン ~1曲目だけで元が取れてしまいます。

デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン
デューク・エリントン(P)ジョン・コルトレーン(Sax)


名盤中の名盤。ここで紹介するのも憚れるほどなのだが、「名盤はみんなの財産」ということで名盤がそこにある限りお伝えするのが本ブログの使命である。

本作はアルバムのタイトルどおりジョン・コルトレーンがジャズの巨匠にして大先輩のデューク・エリントンと共演した作品だ。コルトレーンもエリントンの胸を借りるカタチになるのだろうか、お互いの個性を尊重しあいつつ楽しく緊張感を持って録音している様子が手に取れる。

1曲目のIn A Sentimental Moodから「1本とられました!」と声に出さずにはいられない。本当にトレーンはいい音をだす。ストイックなまでに美しい音色が1音だけで「ふわっ」と空気をかえるのである。トレーンは「自分の出す音のどこが良いか」をしっかり理解していないと聴いている人には伝えられないことを理解している。

この2人をサポートするドラムとベースもエリントン側とトレーン側と両方からの参加である。ツーバスまでも自在に操る超バカテクのサム・ウッドヤード(Dr)が思いのほか普通である。トレーン側のエルビン・ジョーンズ(Dr)はコルトレーンが調子づいてくるといつものフレーズが炸裂し、エリントンのソロになるとぴたっと寄り添うようにオーソドックスなサポートをするのが面白い。

曲目リスト
1. イン・ア・センチメンタル・ムード
2. テイク・ザ・コルトレーン
3. ビッグ・ニック
4. スティーヴィー
5. マイ・リトル・ブラウン・ブック
6. アンジェリカ
7. ザ・フィーリング・オブ・ジャズ

デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン

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Pop Pop リッキー・リー・ジョーンズ ~アコースティックでキュートな歌声

Pop Pop
リッキー・リー・ジョーンズ


本作はシンガーソングライターであるリッキー・リー・ジョンズが「ちょっとJAZZを歌ってみました」というものではない。
お爺さんとお婆さんはダンサーでありシンガーでありコメディアンでありと芸能界の血筋である彼女が、幼少の頃から親しんできたおきにいりの曲を吹き込んだ作品である。扱う曲はジャズのスタンダードチューンからジミヘンのUp From The Skyまでと幅が広い。

ロベン・フォード(Gt)やチャーリー・ヘイデン(B)ジョー・ヘンダーソン(Ts)など大物のミュージシャンが参加。大物のジャズミュージシャンに負けてしまうことが無く、彼女は自分の声で自分の好きな歌を自由に歌い上げる。

Amazonでは超廉価にて販売されているのにびっくりしたのだが、アルバム全体をとおして何度聴いても飽きることのない良質なアンプラグト・ミュージックの名盤である。

曲目リスト
1. My One And Only Love
2. Spring Can Really Hang You Up The Most
3. Hi-Lili Hi-Lo
4. Up From The Skies
5. Second Time Around
6. Dat Dere
7. I'll Be Seeing You
8. Bye Bye Blackbird
9. The Ballad Of The Sad Young Men
10. I Won't Grow Up
11. Love Junkyard
12. Comin' Back To Me

Pop Pop

同時期の映像作品もオススメなのだがこちらは中古市場をあさるしか入手手段がなさそうだ。

ライブ1992 [DVD]

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ランドスライド カーティス・カウンス ~西海岸の名ベーシストの隠れ名盤

ランドスライド
カーティス・カウンス


カーティス・カウンス(B)は1950年代からウエストコースとでシェリー・マン(Dr)やクリフォード・ブラウン(Tp)などと共演を重ねてきた名手であるものの、イマイチ存在感が薄いのは否めない。60年代に入ってから数年後に心臓発作にて帰らぬ人となってしまい、結果として活動期間が短くなってしまったからなのだろう。

しかしながら本作は存在感が薄いという言葉が全く当てはまらないほど内容がよいのである。
プレイスタイルとしては派手なソロで超絶技巧な腕前を披露するわけでもない。どちらかといえば地味なスタイルなのだが、確かなリズムと確かなピッチにてステディーにビートを刻んで「楽曲を立てる」才能はピカイチだ。アルバム全体とおして捨て曲の無い秀逸な出来栄えとなっているのが動かぬ証拠である。カーティス・カウンスに限らず共演メンバーもナイスプレイだ。フランク・バトラーのシャープなビートやトランペットのジャク・シェルドンの絶妙な上手さが非常に際立っている一枚。

本作もいつのまにか市場から姿を消し、入手困難な1枚となりつつあるのがとても惜しい。

曲目リスと
1 ランドスライド
2 タイム・アフター・タイム
3 ソウナー
4 ミア
5 サラ
6 ア・フィフス・フォー・フランク

ランドスライド

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Down Home Zoot Sims ~これは最高の酒のつまみなり!

Down Home
Zoot Sims

これも何回聴いたことだろうか、本作は様々な方面から「ズートの最高傑作」と大変誉れ高い1枚。
それもそのはず、この人が吹けば必ずカラダが動いてしまう。これが居酒屋で流れていたら最高の酒のつまみである。なんでこんなにスイングするのだろうとつくづく思う。

アルバム全体を通してミディアムテンポからアップテンポな選曲、この人のベースを聴いてからだが動かなければどうにかしている低音王ジョージ・タッカー(B)、チャールズ・ミンガスの超お気に入りのドラマーであるダニー・リッチモンド、この2人は絶好調である。ダニー・リッチモンドは思わず掛け声が出てしまうくらい絶好調である。出しゃばり過ぎないデイブ・マッケーナのピアノも大変スインギー。

なにより本作を大名盤たらしめている要因はズート本人のテナーが良く歌うことである。やはりこの人の音尻のコントロールの仕方はサックスを吹いてなくても大変参考になる。


曲目リスト
1. ジャイヴ・アット・ファイヴ
2. ドッギン・アラウンド
3. アヴァロン
4. アイ・クライド・フォー・ユー
5. ビル・ベイリー
6. グッドナイト・スウィートハート
7. ゼアル・ビー・サム・チェインジズ・メイド
8. アイヴ・ハード・ザット・ブルース・ビフォア
9. ゼアル・ビー・サム・チェインジズ・メイド(別テイク)
10. ジャイヴ・アット・ファイヴ(別テイク)
11. ドッギン・アラウンド(別テイク)
12. アヴァロン(別テイク)
13. グッドナイト・スウィートハート(別テイク)
14. ビル・ベイリー(別テイク)


ダウン・ホーム +6

こちらのAmazonレビューを参照していただければが本作の出来のよさが伝わりますでしょうか。

Down Home

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