わんわんわんの名盤探索

わんわんわんがオススメする名盤

Just Friends L.A.4 ~いつの間にかプレミアムがついた隠れ名盤

Just Friends
L.A.4


現在ではものすごいプレミアムがついてしまってびっくり。本作との出会いはとある中古CDショップの「エサ箱」である。「エサ箱」とは長いこと売り場に停滞していた供給過剰に陥ったアイドルや歌手たちのCDなど、行き場を失ったCDたちが流れ着く「処分品コーナー」のことである。1枚500円程度のものから、落ちるところまで落ちた作品については10枚50円などとにかく廉価。これを必死にあさっている姿がエサをあさっているように見えるから通称「エサ箱」と呼ばれるようになったらしい。

ブラジルを代表するギタリストのロリンダ・アルメイダ、西海岸を代表する名手バド・シャンク、そしてベースの巨人レイ・ブラウンとレイ・ブラウンから絶大な信頼を受けているドラムのジェフ・ハミルトン。参加メンバーの良さからは想像できないほど特徴や魅力のないジャケットが災いしたのだろうか、収録曲の凡庸さが作用したのだろうか「エサ箱」に入っていたのである。

内容はやはりアタリ。ロリンダ・アルメイダのガットギターから繰り出されるボサノバカラーのギターと流麗なバド・シャンクのアルトサックスはもちろんのこと、名手レイ・ブラウンの安定したベースワーク、タイトなファンクビートからご機嫌なラテンビート絶好調のスイングまで自由自在にたたき分けるジェフ・ハミルトンの超絶ドラミングが冴えわたっている。

これだけの名手がそろえば当然の内容なのだが、いまいち語り継がれることの少ない名盤なのがもったいないところ。一般受けを考えてギターをピアノに置き換えた楽器編成であれば結果が違っていたかもしれないが、本作では何と言ってもアルメイダのギターが参加していることが重要である。

ピアノとは違うブラジルギター独特のハーモニーが本作の最大の特徴で、手あかが付きまくった凡庸なスタンダードナンバーも彼のギターがスパイスとなって新鮮な響きになっているのがミソだ。最終曲のSpainではブラジルテイストあふれるアルメイダのギターワークに息をのむばかり。本作はSpainの隠れた名演である。


Just Friends

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ヤング・ジャンゴ ステファン・グラッペリ ~ジプシースイングは不滅だ

ヤング・ジャンゴ
ステファン・グラッペリ


先日Win7にパソコンを変えてから早速困ったことがでてきた。PCが勝手に再起動し作業中のデータが消えたのである。調べたところWin7はデフォルトの場合WindowsUpdateが自動インストールされるように設定されており、インストール後はご丁寧にも自動で再起動するように設定されているのだ。早速手動で再起動へ変更した。Win7は使い始めて日が浅いためまだ謎だらけのOSである。

それはさておき本作のステファン・グラッペリ(1908年-1997年)といえばジャズバイオリンの草分けでありジャズ界のご長寿である。ジャズギタリストの源流であるジャンゴ・ラインハルトの相方として、ジャンゴの小気味よいスイングするギターに対するよく歌うバイオリンでジプシースイングスタイルを確立。もはやその関係はオール阪神に対するオール巨人、サンドイッチマンの伊達に対する富沢のような、どちらが欠けてもユニットが成立しない切っても切れない関係である。

グラッペリの長いキャリアのなかでもジャンゴと共演した1950年代の音源にスポットライトが当たってしまうのは致し方ないことだが、本作はそんな風潮に一石を投じる存在ではないだろうか。ひとつのスタイルを築き上げた過去の遺産が素晴らしいのはもちろんのことだが「懐メロ」のみにとどめておくのはあまりにももったいない。

本作は1979年にリリースされた快作。アルバムタイトル通りジャンゴにささげられた1枚なのだがジャンゴ=グラッペリの足跡をなぞる「懐メロ」とは一線を画す存在だ。グラッペリより一回り二回りも若いロック世代のラリー・コリエル(Gt)や、晩年のチェット・ベイカーをサポートしたフィリップ・カテリーン(Gt)、バカテクのベース奏者ペデルセンを従え、彼のバイオリンは時空を超えて問答無用にグイグイとスイングし歌いまくる。非常に楽しい内容の名盤でとりわけ名曲「マイナースイング」が圧巻、ペデルセンの超絶ベースがうなりまくる。そして最終曲で本業も真っ青のグラッペリのピアノがここでも炸裂する。

ジャケット写真はおじいちゃんと孫である。だがしかしカテリーンもコリエルも楽曲提供しており世代の差というかジェネレーションギャップのような違和感は全くなくジプシースイングが現代にも十分通用するものであることが体験できる。優れた音楽は現在進行形なのである。本作はきっとグラッペリが天国のジャンゴへ宛てた「ジプシースイングは不滅」という旨の手紙のようなものではないだろうかと思う。

ヤング・ジャンゴ

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ドット・コム・ブルース ジミー・スミス ~ブルースのトッププレイヤーと共演した名盤

ドット・コム・ブルース
ジミー・スミス


ジャズオルガンの第一人者ジミー・スミスがブルース人脈のビッグネームたちと共演した作品だ。それぞれ異なる個性のブルースのトッププレイヤーが1曲づつジミー・スミスと共演したとても贅沢なつくりだ。

参加者はドクター・ジョン、BBキング、エッタ・ジョーンズ、タジ・マハール、フィル・アップチャーチ、ラッセル・マローン…。名前の列挙だけで肉汁たっぷりの肉まんを口の中にたくさんねじ込まれたくらいの超ガッツリ系な内容だ。

全曲12小節単位でコード進行が繰り返されるブルースなのだが、どの曲もそれぞれの個性が出ており一曲づつ全く違う曲になっている。これだけの面子だとそれは当然といえば当然のことである。中でもボーカルとギターでタジ・マハールの参加する3曲目が特にすばらしい。ナンジャコリャというようなボーカルのアプローチ、ナンジャコリャというようなギターのアプローチ、聴く者に「この人にはかなわない」と思わせるようなプレイだ。やはりタジ・マハールはものすごいセンスの持ち主だ。

ジャズであってもブルースであっても「オルガンはかくあるべし!」といった内容で、バッキングにまわってもソロをとってもジミー・スミスのすさまじいオルガンプレイは絶好調である。全曲にわたってサポートしているドラムのハービー・メイソンのコンテンポラリーで堅実なドラミングもキラリと光る好演である。とってもファンクでニューオーリンズなブルースの名盤である。

ドット・コム・ブルース

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Live in Tokyo ステファン・グラッペリ ~円熟のステージパフォーマンス

Live in Tokyo
ステファン・グラッペリ


ジャズバイオリンの第一人者ステファン・グラッペリが御年82歳のとき1990年東京にて行ったライブアルバムである。ジャズバイオリンはやはりあの踊るようなメロディーを奏でるこの人でなければという感がある。卓越したテクニックによって奏でられるバイオリンは歌以上に歌う。そして音楽的に小難しいところはあまりなく純粋なエンターテイメントとしていつ聴いてもリラックスできる(演奏するとなると目茶目茶大変なのだが‥)。

演奏するバンドフォーマットもギターとベースだ。ジャンゴ・ラインハルト直系の左利きのギタリスト、マーク・フォセットもスリリングかつ上品なコードワークで御大のスイングをささえる。空間系エフェクターのコーラスやフェイザーを時々うっすら使うところがとてもセンスが良くオシャレだ。

スティービー・ワンダーの「You Are Sunshine Of My Life」のカバーをやったり、グラッペリが1曲ソロピアノをやったり(これが滅法うまい!)ととにかく楽しい。録音状態もすばらしくバイオリンの箱が鳴っている感じがよく録れている。本作をステファン・グラッペリのベストアルバムとする人も多く、紛れもなくジャズバイオリンの大名盤である。

悲しいことに本作も入手が難しい1枚となってしまった。見つけたら有無を言わさずすぐに確保すべし。

Live in Tokyo

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Cannonball's Bossa Nova キャノンボール・アダレイ ~キャノンボール・アダレイ根強い人気盤

Cannonball's Bossa Nova
キャノンボール・アダレイ


あそこの国がミサイルを配備した、ならばそちらの国が迎撃の準備をした…。なんだか朝鮮半島の情勢をめぐって緊張感が高まっている。色んな人が色んなところで色んなことをしている。だからいろんな立場の正義がうまれてくるのも当然のことで、対立や争いが生じてしまうのもやむをえない。できれば穏便に済ませていただきたいと願うのは日本人の甘えだろうか。

本作はキャノンボール・アダレイの作品の中ではいまいち知名度が低いのだが根強く人気のある1枚。本作が収録されたのは1962年、ちょうど第三次世界大戦が巻き起こる直前まで深刻な事態が発展したといわれる「キューバ危機」の直後であった。

そのころの1960年代アメリカは中南米を「アメリカの中庭」と表現し政治的に介入しはじめたころである。当時ソ連としては社会主義国家仲間であるキューバへちょっかいをだされそうで面白くなかったのだろう。アメリカを牽制する意味でソ連が核ミサイルをキューバへ配備したということから「キューバ危機」は始まる。

両者ともにらみ合いながら核戦争の開始ボタンへ手をかけたという。当時は全世界が驚愕し手に汗を握って成り行きを見守っていたが、ソ連側がキューバから手を引いたのでなんとか事なきを得る。一つ間違えば全世界が核の炎に包まれていたという。

アメリカの介入は政治を離れたところでサブカルチャーとしてボサノバ・ブームに火をともした。スタン・ゲッツをはじめ多くのミュージシャンの交流もさかんに行われた。アメリカの介入は世界を緊張に陥れることもあったがこういった文化的交流を生み出すことになったのも事実である。

本作収録に当たってキャノンボールはセルジオ・メンデス(P)をはじめブラジル人ミュージシャンを起用。十分なリハーサル時間も無かったのだが、そこはやっぱりプロ集団である。その証拠としてキャノンボール・アダレイが太くきらびやかにボサノバのメロディーを歌い上げている。

Cannonball's Bossa Nova

■ゲッツ/ジルベルト
歴史的大名盤の「ゲッツ/ジルベルト」もまたこの時期に収録された。

ゲッツ/ジルベルト

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