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自作自演集「8つの演奏会用エチュード」 カプースチン ~まさにハイブリッドな衝撃的音楽

自作自演集「8つの演奏会用エチュード」
カプースチン


どこに仕舞ったか思い出せないときほどもどかしいことはない。皆さんに紹介したいCDがあって「あーそれやそれや」と頭の中ではしっかり音が鳴っているのに現物が見当たらないことはしばしばである。レビューを書くときは必ず音源を鳴らすというわんわんわんのスタイルでは、ピンポイントでお目当ての音源にたどり着かないこともしばしば。レビューを書きたい時と音源が見つかるときが重ならなければ記事が書けないのである。もはや運の世界でもある。

本作は一時期どっぷりとはまっていたニコライ・カプースチンの一番有名な音源。出会った当時は烏滸がましくも(「おこがましい」を漢字でかくとこうなるんやと感動)ジャズピアノにもクラシックピアノにも飽きを感じていた倦怠期であった。ちょうどCDショップでカプースチンを持ち上げていた時に試聴コーナーにあって、2分くらいで即時購入を決心したものである。別のCDを探していた時に運良く発見。

カプースチンはロシアのピアノ奏者・作曲家。モスクワ音楽院でクラシックを勉強中にジャズに出会い、独自のアイデアでジャズを消化して自らのスタイルに組み込んだという。改めて聴いてみるとジャズというポップス音楽の「遊び心あふれる身近さ」とクラシックのもつ「音色やテクニックに関するシビアさ」が程よくミックスされた、まさに「ハイブリッドな音楽」である。

ジャズ側からの所感ではチック・コリアがジャズをやらずにクラシックや現代音楽を極めたとでもいうのだろうか、とにかくものすごくしっかりピアノが鳴っている。非常に流麗なテクニックには情報量が多すぎて「音の玉手箱や~」という一言でかたずけたくなるほどだ。さすがは自作自演、ペダリングのやりかた・音の切り方など作曲した本人しかわからないようなマニアックな部分まで演奏者と作曲者の楽曲に込められた意図がぴったりシンクロしている。

自作自演の音源をどこまで演奏者の意図するレベル(演奏・作曲者の頭の中の音)に近づけることができるかどうかは、録音する側にも相当なプレッシャーがかかっていたことは想像に難くないのがだ、さすがはクラシックピアノの名門TRITONでクラシック側から入ってもジャズ側からはいっても、本作がどちらにも属さない「ハイブリッド」な音楽であることを感じさせる音造り。

重い伝統を継承しつつもジャズなどのポップスが放つキャッチーな現代音楽のスパイスがパリパリに効いており、ちょっとでもジャズやクラシックに倦怠感を感じた人にはうってつけの1枚となること請け合いである。カプースチンの圧倒的なテクニックもあって、とにかく音源に込められた情報量が多いので聴く側としては「それなりの覚悟」が必要となるのだが、これがジャズであるかクラシックであるかはホントどうでもよくなる革命的な1枚であることは間違いない。

自作自演集「8つの演奏会用エチュード」
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月の光~ドビュッシー / ピアノ名曲集 モニク・アース ~「2つのアラベスク」柔らかな名演

月の光~ドビュッシー / ピアノ名曲集
モニク・アース


以前は嫌いであったが今は好きである。食べ物や人、本や音楽、土地や風景、季節や時代、自分の価値観の変化がそうさせるのだがこれは多々あることだ。以前はクラシックのクの字ですら目もくれなかったのだが今では初心者なりに楽しめるようになってきた自分がその例である。

ドビュッシーのピアノ作品「2つのアラベスク」がふと聴きたくなりいろいろ手持ちのCDを探ったところ本作のことが急に気になりだした。久しぶりに聴いてみるとこれが滅法良いのである。以前の記事で本作のことを「迷盤」扱いとしたのだがそれはとんだ間違いであった。

本作の「2つのアラベスク」は絶品。アースの柔らかくて丸っこいピアノタッチがひらひらと舞う花びらのようなフレーズによく似合うのである。静かにスーッと心の中に入ってくる名演である。「2つのアラベスク」のほかに「ベルガマスク組曲 月の光」や「亜麻色の髪の乙女」などドビュッシーの有名どころが一通り収録されておりお得でもある。

録音が古いせいなのだろうかマイクの立て方が杜撰なのだろうか速いパッセージやリズミックな部分になると「ピアノの音の芯」に「箱が鳴っている感覚」とは別の残響がまとわりついてピアノが持つ音の鋭さがそがれてしまっているのが残念で仕方がない。おそらくそれが本作のことを以前「迷盤」扱いとしてしまった理由だろう。ピンとこなかったら次曲ボタンを押せばよい、それだけのことであった。

月の光 ~ドビュッシー / ピアノ名曲集
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Beethoven Piano Sonatas 13 14 & 15 ~名手ロルティによるベートーベン

Beethoven Piano Sonatas 13 14 & 15
ルイ・ロルティ


ベートーベンのピアノソナタものである。不遜にもベートーベンまで手が出し切れていないわんわんわんなのだがそこに名盤があるかぎり紹介しなければならない。胸のすくようなショパンのエチュードやラヴェルのピアノ作品集にて本ブログで何回か取り上げているカナダの名手ルイ・ロルティ。彼はまたベートーベンの名手でもあった。

彼のピアノスタイルは鍵盤をたたく強さによって倍音成分の出方が変化するというのを熟知しているようで感情に任せて鍵盤をぶっ叩くようなこと決してしない。消え入るような沈み込むようなピアニッシモから燃えるようなフォルテッシモまですべてが完璧にコントロールされている。

さまざまな表情をさまざまな音色に持たせることができる完璧なメカニカルの技術、テンポの速い遅いに流されることのない非常に端正なタッチで奏でられるピアノは技術的完成度が高くピアニストが聴いたならばきっと気が狂うほどの楽器コントロール力に違いない。

ベートーベンの楽曲といえば楽曲のもつ勢いでゴツーンとやってしまいがちなのだが、彼の手にかかれば癖というか表現に偏りがないためベートーベン初心者にも安心して聴きとおせる1枚となる。むろん上級者にもおすすめではないかと思う。

Piano Sonatas 13 14 & 15

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シベリウス:ピアノ小品集 舘野泉 ~ダブって持っていても全く苦痛ではない1枚

シベリウス:ピアノ小品集
舘野泉


某名古屋の中古CD屋で「見たことのあるような無いようなジャケットだ」と思い、手に取ったその1枚を持ってそそくさとレジへすすむ。CDをプレイヤーに入れるや否や素晴らしい演奏に耳を傾ける。数曲聴いて「どこかで聴いたような…」とデジャブにおそわれて確認してみると悪い予感が見事的中。

ダブっていた。全く同じ内容だ。あの時購入したやつはいわゆる手持ちのCDのジャケット違いであった。よく似たような別の作品にだまされたのか、価格のお求め安さにだまされたのか、ダブって買ってしまったことを後悔する。通常ならばここで嫌気が差してCDを取り出すのだが、本作の場合は別の展開をした珍しい1枚だ。

舘野氏の深遠なるピアノタッチにて奏でられるシベリウスのピアノ小品集は耳を傾ければ傾けるほど心の中の悔しさが徐々に希釈されてゆくのである。そして徐々にシベリウスの世界に入ってゆくのである。改めて聴けば聴くほど強まる「全曲捨て曲なし」という思い。最終的には悔しさが消え去りいつの間にかCDプレイヤーのヘビーローテーションになっていたのである。

1曲目の「ロマンス 変ニ長調 」からグイグイ引き込まれ…名曲「樅の木」で背筋がピンとなり…「即興曲 第5番 」で再び耳が音に奪われて…。なんど繰り返し聴いても一通りの感動が沸き起こる。学習能力が無いのかと疑わしくなってくるのだがもう一回聴いてみてもやっぱり同じである。

先日風邪をひきまして…と記事にしたのだが、のどがイガイガして自分で自分を支えることすら苦痛になる。たった数度体温が上がっただけで健康ではなくなってしまうこの不思議。音を聴くだけでズキズキと頭が痛む。そんなときのテレビの騒音は苦痛でしかない。しかし舘野氏の奏でるシベリウスは抵抗無く聞き入ってしまう。このように風邪をひいて寝込んでいる最中にもお世話になった次第である。

本作は「ダブって持っていても全く苦痛ではない1枚」というポジションになった。このレベルまでこれば誰がなんと言おうとも胸を張って名盤認定したい。しかし最初に購入したほうのが断然ジャケットは良い。Amazonリンクの画像は最初に購入したほうである。いうまでもなく内容は今回紹介したやつと全く同じである。

シベリウス:ピアノ小品集

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ベートーベン:悲愴・月光・熱情 グレン・グールド ~グールドの弾く三大ソナタ

ベートーベン:悲愴・月光・熱情
グレン・グールド


やはり年初はピアノものが良い。ということで今年の正月はピアノ作品ばかり聴いていた。ピアノ作品はジャズやクラシックなどいろいろあるのだが特にヘビーローテーションだったのが舘野泉が弾くシベリウスのピアノ小品集グリーグの抒情小曲集、そしてグレン・グールドの弾くベートーベンピアノソナタであった。

グールドは以前記事にて取り上げたように「とても変わった人」である。椅子の高さが365mmと極端に低かったり、真夏なのに指や腕のコンディションを最良にするためとのことで分厚いコートを羽織ったりと、彼に関するエピソードは山のようにある。

中でも彼の個性を位置づける決定的なこととは「楽譜を守らないこと」であった。クラシック奏者であれば作曲者の意図に沿って表情記号など設計されたとおりに演奏するのが普通なのだが、グールドの場合は「自分が信じるがままに音楽を弾く」のである。

さすがに楽譜にない音を勝手に付け足したりはしないのだが、テンポを変えたり和音をアルペジオにしてみたりと、圧倒的な楽器コントロール力をもって他人の楽曲に自分をねじ込んでゆくのである。なので彼の演奏は一部のクラシックファンから猛烈な賞賛を得る一方で、他方では「邪道」と嫌われ常に賛否両論がつきまとうのである。

本作はベートーベンのピアノソナタの中でも超有名曲「悲愴」、「月光」、「熱情」のいわゆる「三大ソナタ」が収録されている。あまりベートーベンについては良く知らないのだがグールドが弾くベートーベンには強く惹かれるものがあるのだ。

これはグールドは作曲者の設計図どおりにすることよりも、作曲者の楽曲を題材に音楽を創造することに主眼をおいて演奏をしているからなのだろう。その証左としてメロディーの緩急コントロールは龍が中を自由自在に舞うがごとく、非常にスリリングで爽快感あふれるものである。個性の塊のような演奏なのだが、そこに非常に音楽を感じるのである。


ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情


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